【SUPER GT2017】苦しかった今シーズンのSUBARU BRZ GT300。最終戦もてぎで一矢を報いたか?

11月12日に決勝が行われたSUPER GT最終戦「2017 AUTOBACS SUPER GT Round 8 MOTEGI GT GRAND FINAL」。スバルにとって苦しかった今シーズンでしたが、最終戦もてぎでライバルに一矢を報いるために最後の戦いに臨みます。

しかし、予選日の11日午前中に行われたフリー走行で予想外のトラブルが発生してしまいます。

フロントブレーキのディスクが真っ赤に熱を持ってしまっています。いくらブレーキに厳しいといわれるツインリンクもてぎでも、ここまで赤くなり続けることは異常事態で、すぐさま緊急ピットイン。

フロントブレーキをキャリパーから交換したとのことで、長い作業時間を経てフリー走行に復帰します。

予選前にも入念なチェックとミーティングがドライバーを交えて行われ、トラブル解消へ向けて準備が行われていきました。

そして予選。ブレーキに若干の不安を残しつつも山内英輝選手が果敢にアタック!1分47秒888で予選Q1を突破!しかしQ2でもブレーキに不安が残るために井口卓人選手は攻めあぐねての1分48秒555。しかしQ1突破の効果は大きく、予選は13番手からのスタートとなります。

井口選手も山内選手も口を揃えて「ブレーキ以外に問題は感じていない」と言い、速さが戻ってきたことに実感を得ている印象でした。

決勝レース直前のウォームアップ走行でもブレーキに不安は残りますが、チームはいけると判断してBRZ GT300を送り出していきます。

それでも辰己総監督はスタートまでの最後の最後までマシンを入念にチェックしていきます。

そして決勝レーススタート。トラブルは続いていたものの、ポジションをキープすることに専念した山内選手は20周目にピットインする頃には3位までポジションアップ。リアタイヤ2本交換で井口選手に交代し戦線に復帰していきます。

しかし、井口選手のスティントでブレーキの症状はさらに悪化し、26周目にはコースアウトを喫してしまいます。オフィシャルによりコースに復帰したもののそのままピットイン。ガレージに収められてしまうことになってしまいました。つまりはリタイア。

今年は産みの苦しみだったのではないか、と辰巳総監督は語ります。

「トランスアクスルに変更したことで初期トラブルが多かったのは否めない。それが解決してきた鈴鹿ではやっとライバルと一緒に走ることが出来たと実感した。しかし速くなるとまた他が出てくる。外から見ればBRZのままだけど中身は全くの別のクルマ。リストリクターでパワーが絞られた分をどうやって速さにつなげるかを考え抜いてきた1年となった。最後に結果が残せなかったのは残念としか言いようがないが」

今年は残念な結果といわざるを得なかったBRZ GT300ですが「来年はかなりいいと思います」と辰己総監督。

えっ?来年? SUBARUからの正式な発表はまだ行われてはいませんが、チームとしては来年に大きな意欲と手応えを感じていることだけは確かです。

来年の発表があるとすれば1月11~13日に幕張メッセで開催の東京オートサロン2018が濃厚!この日に力強いお話しが聞けることを期待します。

(写真・文:松永和浩)

この記事の著者

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松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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