【新車】埼玉で作られる新型シビック・セダンは日本の道にピッタリな走りと機能

このあたり、ハッチバックのCVTは未試乗なので、MTとCVTの違いといえるかもしれません。だとすれば、新しいシビックに搭載されている1.5リッター直噴ターボとの相性ではCVTのほうが有利といえそうです。そして、ホンダセンシングが標準装備となった新型シビックにおいて、CVTだけに「渋滞追従機能付きACC(アダプティブ・クルーズコントロール)」が付いているのも大きな違いです。

渋滞追従ということは先行車が停止すれば、それに合わせて停止。スイッチ操作などで再発進するというもの。渋滞というドライバーが疲れるシチュエーションを自動運転技術によってカバーしてくれるというのは、最強のCセグメントカーを目指したという開発陣の強い意思を感じる部分といえるでしょうか。

そうして、ある意味でクルマ任せで走っていると、55偏平タイヤによる当たりの柔らかな感じが、より活きてきます。ワインディングロードで、あれほどレスポンシブルと感じたハンドリングとは思えないほど乗り心地がソフトでロングツーリングでの疲労も少なそうと感じます。

今回、後席の乗り心地は確認できませんでしたが、居住スペース的には十分に広く、後席シートもゆったりしています。さらにトランクルームの容積は519リッターで、ゴルフバッグ4個が積めると聞けば、ゴルファーの友としても”使える”一台に仕上がっているといえそうです。もちろん、ACCは最新版となる120km/h対応(135km/hまで設定可能)で、将来的に予想されている高速道路の制限速度アップも考慮したものとなっているのも見逃せません。

グローバルで通用すべく、世界共通ボディとなり、世界中の道で鍛え上げられてきた新型シビック。タイプRのイメージからハッチバックに人気が集まっていますが、その高いポテンシャルを日本向けに使い切ったといえるセダンの走りや使い勝手にも注目すべきといえそうです。

■ホンダ・シビック セダン主要スペック
車両型式:DBA-FC1
全長:4650mm
全幅:1800mm
全高:1415mm
ホイールベース:2700mm
車両重量:1300kg
乗車定員:5名
エンジン型式:L15B
エンジン形式:直列4気筒DOHCターボ
総排気量:1496cc
最高出力:127kW(173PS)/5500rpm
最大トルク:220Nm(22.4kg-m)/1700-5500rpm
変速装置:CVT
燃料消費率:19.4km/L (JC08モード)
タイヤサイズ:215/55R16
メーカー希望小売価格(税込):2,650,320円

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この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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