【東京モーターショー2017 】ドライバーたちはレースか女の話しかしない!? フォーミュラEチャンピオン ディ・グラッシ選手単独インタビュー

── レースと会社経営で忙しそうですが、他のドライバーと出かけたりすることはあるのでしょうか?

「ドライバーの友達は多いよ。日本で活躍しているドライバーだとジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(スーパーGT/KONDO RACING)、アンドレ・ロッテラー(スーパーフォーミュラ/VANTELIN TEAM TOM’S)。後はブルーノ・セナやフェリペ・マッサとも仲が良いね」

── ライバルのセバスチャン・ブエミ選手(ルノーe.ダムス)はどうですか?

「ブエミ?ダメダメ!(笑)」

── そこまで嫌がらなくても(笑)。ドライバー同士で出かける時、どこに行くのでしょうか?

「六本木だね!昨日もオリベイラとロッテラーと六本木のバーで飲んだんだ。常にいろいろな所に移動しているから、友情関係は深まるよ」

── ちなみに、どのような話をされるのですか?

「………(しばし沈黙)。いいかい、ドライバーが揃ったらレースか女の話しかしないんだ(笑)!」

この衝撃発言には、部屋にいた全員が大爆笑! レースのない日は経営している会社に行くということで真面目な印象でしたが、ドライバーらしい(!?)一面もありなんだか安心しました(笑)。

── ちょっとイメージが崩れすぎたので(笑)、話をレースに戻しますね。今シーズン、全てのグランプリでファンブースト(ファン投票により最も多くの人気を集めたドライバー3名に与えられる、一時的に急加速できるシステム)を獲得し、フォーミュラE史上初めての全戦ファンブースト獲得者となりましたね。

「ファンブーストはレースの結果を左右するようなツールではなく、あくまでマーケティングのツールだと思っている。ファンブーストを得ることができたからといって、レースに勝てるわけではない。やはり、レースに勝つためには良いクルマが必要なんだ。人によっては『ファンブーストを得たから勝った』という人もいるけど、決してそうではない。実際に僕もファンブーストを得ながら勝てなかったレースがあるし、逆にファンブーストがなくても勝ったレースはあるしね」

さらに続けます。

「特に若い世代にフォーミュラEに関心を持ってもらうための一つ目のステップとして、このファンブーストはあるんだと思う。今の18歳までくらいの子が大人になって、クルマを買うときには電気自動車が主流になっているだろう。単純にTVでレースを見る、ということだけでなく、このような若い世代とはソーシャルメディアなどを使って、もっとやりとりをしたいと考えている。そういう意味でもファンブーストは、とても大切なツールだと思う」

── 最後に、ディ・グラッシ選手にとってファンはどのような存在なのでしょうか?

「ファンはとっても大切な存在。僕は幸せなことに多くのファンからサポートを受け、ファンブーストを得る形になった。たくさんの人から支持されているというのは、僕にとってはとても嬉しいことだよ」

こちらの質問に一つ一つ丁寧に、そして詳しく話してくれたディ・グラッシ選手。レースのことだけでなくフォーミュラEの未来まで考えていて、「レーサー」でありながらどこか「ビジネスマン」と話しているような感覚になりました。

またインタビュー終了後、一緒に写真を撮ってほしいとお願いすると「もちろんOKだよ。毎年一緒に写真を撮ろう!だんだんお互いに歳をとっていくけどね(笑)」と冗談を言うお茶目な一面も。そんなディ・グラッシ選手の人柄が、多くのファンから支持されている理由の一つなのかなと思いました。

フォーミュラE 4thシーズン(2017/2018年)は、2017年12月2日香港GPからスタートします。今年もディ・グラッシ選手の走りに期待したいです! そして来年も日本で会えますように!!

(yuri)

【関連リンク】

【東京モーターショー2017】シェフラーブースでフォーミュラE王者ルーカス・ディ・グラッシが来日イベントを開催
https://clicccar.com/2017/11/01/526012/

この記事の著者

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yuri

2006年のF1日本GPを観に行ってから、どっぷりF1&ジェンソン・バトンにはまってしまったF1女子。F1が大好きですが、車の運転は下手(小林編集長お墨付き)、メカニズムも苦手、だけどドライバーの知識と愛だけは自信あり! もっと気軽にF1を楽しんでもらいたい、好きになってもらいたいという気持ちで執筆活動をしています。
趣味はバトンの追っかけと、F1海外観戦。現在は新米ママとして子育てに奮闘しながら、のんびり記事を更新中。あたたかーい目で見守っていただけると嬉しいです。
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