【アウディSQ5試乗記】圧倒的な速さと上質感を備えたモンスターSUV

速さを謳うSUVはいくつもありますが、新型アウディSQ5の仕上がりは良い意味で裏切られました。十分な速さを備えているのは確かなのですが、静粛性や乗り心地など走りの質感が高く、パワーフィールもよりスムーズに感じられたからです。

新型Q5のデュアルクラッチトランスミッションに対して3.0LのV6ターボと8速ATが組み合わされるSQ5は、354ps/500Nmというスペック。なお、アウディS4/S5と同じ「CWG」型エンジンが搭載されています。

SQ5の走り出しは、8ATによる滑らかな超スムーズなゼロ発進からいきなり驚かされます。そして、軽く踏むだけでこんこんと湧き出るようなトルク感に圧倒されます。もちろん、ピーキーで扱いにくいというマナーの悪さは皆無ですから、日常域では上品に乗り、高速道路や山岳路などで走りを楽しみたい時にも存分に応えてくれるはず。

正確なハンドリングを享受できるのも美点です。Q5よりも90kgも重くなっているのに、サイズを感じさせない軽さと、フットワークの良さも印象的。試乗車のタイヤサイズは225/40R21で、標準装備より1インチアップのタイヤが装着されていました。

さらに、SQ5には車速や舵角に応じてギヤ比を自動的に調整するデバイスが装備されており、低速ではクイックに、高速ではスローになりスタビリティを高めるものだそう。

見た目には迫力十分ですが、255/45R20を履いていたQ5のファーストエディションよりも少しハードで、乗り心地の面ではややオーバースペックという感じもあります。

セダンのA4やA4アバントなどよりも重量があることもあってか、乗り心地によい意味で落ち着きがあるQ5/SQ5。見た目も気になるところですが、バランスを考えるとSQ5に標準の255/45R20サイズがベストかもしれません。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

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この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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