【アウディQ5試乗記】スポーティな走りと硬めの乗り味でアウディらしい高い質感が味わえる

2008年の初代登場以来、約9年ぶりにフルモデルチェンジを受けた2代目アウディQ5。兄貴分のQ7は2015年にフルモデルチェンジを受けていて、日本には翌年上陸しています。

Q5はA3、A4に次ぐアウディの看板モデルの1台であり、世界で160万台を売り上げた人気SUV。日本の道路や駐車場事情からすると5mを超える巨体であるQ7はそのサイズを持てあますシーンも多いはず。

Dセグメント級のSUVである新型Q5は、全長4685×全幅1900×全高1665mmで、1.9mという全幅は日本ではワイドですが、なんとか許容範囲という方も多いでしょう。

試乗したのはローンチエディションの「Q5 1st Edition」。2.0Lの直列4気筒ターボに、湿式デュアルクラッチトランスミッションである新開発の7速Sトロニックの組み合わせ。

エンジンは従来のQ5のそれよりも22ps/20Nmアップとなる252ps/5000-6000rpm、370Nm/1600-4500rpmというスペックを得ているだけあって、額面どおり、もしくはそれ以上の力強さを、シーンを問わず味わうことができます。

また、先述した7速DCTは「フリクションロスを削減し、遠心振り子を備えたデュアルマスフライホイールの効果で極低速域でもスムーズになった」と謳っているとおり、デュアルクラッチトランスミッションの課題であった発進時のマナーは、まったく気にならないほど改善されているのも朗報です。

試乗車の「ファーストエディション」は、255/45R20という標準の18インチよりも2インチアップとなるタイヤを履いている割に乗り心地も思ったよりも硬くない印象を受けました。路面状態によっては左右、上下に揺すぶられることもありますが、標準車の18インチ車の仕上がりはさらに期待できそう。

背の高さを感じさせないハンドリングや軽快なフットワークも大きな魅力で、雨天時でも高い安定感を見せてくれたクワトロは、A4オールロードクワトロなどと同様に状況に応じてFFに切り替わり燃費を稼ぐ最新の4WDシステムが採用されています。

試乗時はあいにくの雨でしたが、街中はもちろん、ワインディングまで高い安定感を披露。少し飛ばしてもヒヤリとするシーンは皆無で、アウディらしい安定性も味わうことができました。

ボルボXC60、アウディQ5、そしてBMW X3と相次いでフルモデルチェンジされた欧州Dセグメント級SUV。「MLBエボ」というプラットフォームを使った新型Q5は、個人的には最近のアウディ車の中でも最も走りと乗り心地のバランスに秀でたモデルのように思えます。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

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この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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