【東京モーターショー2017】異彩を放つ2台のマツダ車「VISION CONCEPT」と「魁(KAI)」がターンテーブルで回る理由とは?

東京モーターショー2017は、エンジン車の進化についても新しいもの、進化したものが多数見受けられたのも事実ですが、やはり電動化や自動運転技術が目立っているのは確かです。

そんな中、マツダが出展した2台のコンセプトカー「VISION CONCEPT」と「魁(KAI)」は、そういう流れに動じないような、どっしりと「ドライバーがエンジンを使ってドライブしたくなるはず」と言わんばかりのクルマ本来の美しさを追求したと言えるものでした。

遠目に見ると、これまでにもジャンルとして存在した流麗なロングホイールベースのセダンと、走りも熱そうなホットな5ドアハッチのボディと思われがちですが、ボディの面構成はこれまでの一般的な市販モデルとは違います。

例えばドア側面は通常膨らんでいるもんですが、これらの2台は前方下部が逆に凹んでいて、それが後方上部へ繋がるに従い凸面となっています。

かといって途中に平らな部分があるわけではなく凹が自然といつの間にか凸に変わっているわけです。

この「いつの間にか変わっている」のは丸みがどこからかエッジになっていたり、どこからか膨らみの方向が曲がっていたりと、いろんな部分に見ることができます。

これをわかってもらうために、陰影のはっきりするメタリック系の塗装を施したり、ショー会場ではマツダのデザイナー自らがその変化がわかるようなライティングのための照明機器操作に指示を出したりしているといいます。

モーターショー会場ではターンテーブルの上でコンセプトカーが回っているのはよく見る光景ですが、普通は車両の前後左右を同じ位置から見えるようにしたサービスだと思われます。けれど、マツダの場合は面や光と影が連続的に変化する様子を観てもらうために使っているのです。それを意識して観ると、その美しさがより堪能できるのではないでしょうか。

(文・写真:clicccar編集長 小林 和久)

 

この記事の著者

小林和久 近影

小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務めた。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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