今回の不適切な事案を簡単に説明するとスバルの社内規定で完成検査に従事することができる人は担当検査工程に必要な教育と訓練を受け、完成検査業務に必要な知識と技能を100%身に付けたと現場管理者に認定され、担当検査工程に従事できるよう監督者に指名された人のみです。
指名に至るまでにはまず技術面をクリアし、その後社内の筆記試験で100点を取ると一人前の完成検査員となれるのです。今回発覚した不適切な事案は技術面でクリアしている人が筆記試験を受ける前に完成検査業務を行っていたということです。
これを自動車の運転に例えると、教習所で技能テストをパスした人がペーパーテストを合格する前にクルマを運転してしまったということに近いのではないでしょうか。今回の不適切な事案は約30年前から行われていたといわれており、決して、人員不足によるものではないという説明がなされました。
10月3日にこの疑義が発覚し、それ以降は筆記試験をパスしていない人を検査業務から外しており、新車登録は続けています。これまで規定として明文化されていなかった完成検査に対して、今後透明性を高めて、将来にわたって誤った運用や解釈が生じないように改めて規定を体系的に整理し直すと説明されました。
リコールの内容については10月30日に発表される予定です。アイサイトで先進安全装備の普及を加速させたスバル。管理システムを再構築して、安心・安全なクルマをユーザーに届けてほしいと思います。
(萩原文博)