駆動系部品が主力の米・自動車部品大手 ボルグワーナーは、トラックを含む商用車のハイブリッド/電気自動車市場向けに電動モーターをはじめとする多数の同社の製品ラインアップを提供すると発表しました。
Knibb, Gormezano and Partners(KGP)による「世界商用車用エンジン、アフタートリートメント、およびトランスミッションに関する年次予測」では、商用車向けのハイブリッド/電気自動車市場は平均して32.9%の年間成長率が見込まれ、商用車の電動化車両の台数も2017年の4万9000台から2020年には11万5000台に増加すると予想されており、同市場が大幅に増えると考えられてことに対応してボルグワーナーも商用車向けの電動化対応部品を提供したと考えられます。
ボルグワーナーが用意している製品ラインアップを見ると、汎用のHVH410・HVH250電動モーターは、特許取得済みの高電圧ヘアピン(HVH)ステータ巻線技術を搭載していることが特長で、最大300kW(402HP)の出力と95%を超える高効率を発揮します。
HVH410電動モーターは、最大2,000Nmのトルクを発生し、クラス7(車両総重量約12t~15t)およびクラス8(車両総重量約15t超)のハイブリッド/電動化車両に適用できます。またHVH250電動モーターは、最大425Nmのトルクを発生するので、車両総重量が3t程度の商用車に適しているようです。
また、同社の48Vの高効率モーター/発電機、電動コンプレッサー、eBooster(登録商標)は、すでに市場に登場済みで排気量5L未満の小型商用エンジンに搭載されており、同社では現在、排気量13Lまでのエンジンに適した大型タイプも開発中のようです。
そのほか、同社は様々な電動ターボ機器を開発中で、電気出力が可能な有機ランキンサイクル(ORC)エキスパンダー、eTurbocompounding(タービン発電機)、ガスタービン・レンジエクステンダーなどがあり、いずれも商用電気自動車への搭載できるということです。
自動車部品業界では、最近の急激なEV化が進んで既存のエンジン車が電動化されると、エンジン車向けの部品の売り上げが大幅に減少するなどの大変革が起こると予測されており、特にボルグワーナーのようにエンジン車の駆動系部品が主力の部品会社は、EV化への対応を急いでいます。今回の同社の電動化対応製品の発表もその一環であると考えられます。
(山内 博・画像:ボルグワーナー)