高い完成度の「アイサイト・ツーリングアシスト」だけに、ドライバーの心理に沿った制御が求められる!?【公道試乗】

前置きが長くなりましたが、「アイサイト・ツーリングアシスト」と「アイサイトver.3」には、車線中央付近を維持する制御が盛り込まれています。

最新のWRX S4(2.0GT-S EyeSight)で「アイサイト(ツーリングアシスト含む)」を作動させると、中央付近を維持してくれるのがよく分かります。それは、左側の路肩が狭かったり、工事中だったりしても中央を維持するので、場合によっては、「もう少し右に寄って欲しい」という心理になります。

さらに、複数車線がある高速道路において、右車線や中央車線を走っている場合も同じで、左側に大型車がいる場合でも中央を維持します。ドライバーが運転する場合は意識、無意識を含めて少し右による心理が働くはずで、「アイサイト」がせっかくカメラで見ているのならもう少し右によって欲しいと思うのは…欲張りすぎでしょうか。

もちろん、アイサイト作動中でも少しだけ右に寄ればいいのであり、あくまでドライバーサポートであることを再確認させられます。

アイサイトに限らず、こうした人間の心理に寄り添った微妙な制御までできる日が来るのか、現在の自動運転技術そして自動運転の実現まで課題はまだまだたくさんありそうです。

(文/塚田勝弘 写真/SUBARU)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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