ディーゼルとガソリンの「いいとこ取り」。次世代ガソリンエンジン「SKYACTIV-X」搭載車に試乗【SKYACTIV-X試乗会】

マツダが満を持して発表した次世代ガソリンエンジン「SKYACTIV-X(スカイアクティブ・エックス)」は、ガソリンエンジンでは難しいとされていた自己着火方式を取り入れたエンジンです。今回、完成して間もない試作エンジンを搭載した試作車で、マツダのテストコースを試乗する機会が与えられました。

この試作車には新しいシャシー技術も盛り込まれていたのですが、まずはエンジンに特化したレポートをお届けします。

エンジンの仕様は2リットルで、比較のために従来型2リットルエンジンも用意されました。ATとMTの2種のミッションが用意されましたが、MTのほうが特性は探りやすかったです。

「SKYACTIV-X」は通常の火炎伝播燃焼と自己着火燃焼を切り替えしながら動いています。その様子は助手席に配置された液晶画面に示されますが、切り替わりタイミングはほとんどわかりません。モニターを横目でちらちらを見ながら運転してみましたが、明確に切り替わる感覚はなく、一連のシームレスな動きが伝わります。

発進時にアクセルを踏み込むと、低速からググッと力強い加速感が得られます。通常のガソリンエンジンとは異なったディーゼルエンジンのような力強さを持っています。多くのガソリンエンジンはある程度回転を上げないとトルクが盛り上がる感じがしませんが、この「SKYACTIV-X」はアイドリングレベルの低回転から高トルクを発生します。

MT車で、どんどんシフトアップしていっても全然平気で、ギクシャクしません。そんな使い方はしないものですが、そんなことをしても気にならないというレベルを実現しています。

この記事の著者

諸星陽一 近影

諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
続きを見る
閉じる