ディーゼルとガソリンの「いいとこ取り」。次世代ガソリンエンジン「SKYACTIV-X」搭載車に試乗【SKYACTIV-X試乗会】

さきほど、「燃焼の切り替えがほとんどわからない」と表現しましたが、わかるタイミングもあります。それはもっとも効率よく自己着火燃焼している状態への切り替わりです。

運転しているとたまに“タッタッタッタッタ”という打音が伝わってくることがあります。聞けばこの音はもっとも効率よく自己着火燃焼している状態のときに発生する音だということでした。つまりノッキングに近い状態での起きている燃焼時の音なのですが、ガソリンエンジンの“カリカリカリ”というような不快さはありませんでした。

一定の速度で走ってるときのトルクの安定感は高いものでした。トルクが高めでフラットなので高めのギヤが使えます。ですから、アクセルペダルの微妙な踏み込み加減に対するクルマの挙動変化が少なく、快適なクルージングが可能になります。そうした高めのギヤで走っている状態からアクセルペダルを踏み込んだときも、トルクバンドが広いので力強い加速が得られます。

さらにシフトダウンしてからアクセルを踏み込めば、6000回転付近まで一気に吹け上げるいかにもガソリンエンジンらしい抜けのいい加速感を楽しむことができます。この低速トルクの厚さと、抜けのいい吹け上がり感が共存するところが、ディーゼルエンジンとガソリンエンジンのいいとこ取りという印象を強めているわけです。

高圧縮のセッティングとなっている「SKYACTIV-X」ですが、アクセルペダルを戻した際のエンジンブレーキの効きはあまり強さを感じませんでした。聞けば、減速系はまだチューニングが行われていないということでした。この減速系については、回生エネルギーを利用するi-ELOOPやマイルドハイブリッドとの組み合わせも考えられていて、今後マッチングが図られていくとのことでした。

画期的な発想によって生まれた「SKYACTIV-X」は、実用化間近まで来ています。おそらく、このエンジンは次期アクセラあたりに搭載されることになり、そのときにはさらに洗練されたものとなっているでしょう。まだまだ内燃機関には未来があると感じられる試乗となりました。

(諸星陽一)

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この記事の著者

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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