マツダが満を持して発表した次世代ガソリンエンジン「SKYACTIV-X(スカイアクティブ・エックス)」は、ガソリンエンジンでは難しいとされていた自己着火方式を取り入れたエンジンです。今回、完成して間もない試作エンジンを搭載した試作車で、マツダのテストコースを試乗する機会が与えられました。
この試作車には新しいシャシー技術も盛り込まれていたのですが、まずはエンジンに特化したレポートをお届けします。
エンジンの仕様は2リットルで、比較のために従来型2リットルエンジンも用意されました。ATとMTの2種のミッションが用意されましたが、MTのほうが特性は探りやすかったです。
「SKYACTIV-X」は通常の火炎伝播燃焼と自己着火燃焼を切り替えしながら動いています。その様子は助手席に配置された液晶画面に示されますが、切り替わりタイミングはほとんどわかりません。モニターを横目でちらちらを見ながら運転してみましたが、明確に切り替わる感覚はなく、一連のシームレスな動きが伝わります。
発進時にアクセルを踏み込むと、低速からググッと力強い加速感が得られます。通常のガソリンエンジンとは異なったディーゼルエンジンのような力強さを持っています。多くのガソリンエンジンはある程度回転を上げないとトルクが盛り上がる感じがしませんが、この「SKYACTIV-X」はアイドリングレベルの低回転から高トルクを発生します。
MT車で、どんどんシフトアップしていっても全然平気で、ギクシャクしません。そんな使い方はしないものですが、そんなことをしても気にならないというレベルを実現しています。