米国で発売されている乗用車の安全性をテストしている道路安全保険協会(IIHS)は、2018年モデルのスバル「CROSSTREK(日本名:XV)」「WRX」の小型車2車種が、最高安全賞の「TOP SAFETY PICK +(TSP+)」に認定されたと発表しました。
今回のスバル2車種について、IIHSでは北米モデルでオプション設定されているフロントクラッシュ防止機能(EyeSightシステム)とヘッドライトのバイビームアシストが装備されている場合、高速道路での安全のためにIIHSが設定している最高安全賞に該当する、としています。
IIHSの「TSP+」を獲得するには、フロントオーバークラッシュ、オーバーラップフロント、サイドオーバーラップ、ルーフ強さ、ヘッドレストなど、IIHSが決めた5種類の耐衝撃性テストのすべてで、上級の評価と、ヘッドライトについては良の評価を得る必要があります。
「XV(CROSSTREK)」は、全般的に良好な衝突時の耐衝撃性評価に加えて、オプションのEyeSightシステム によるフロントクラッシュ防止機能が優れた評価を得たと評価しています。具体的には、12mph(約20km/h)と25mph(約40km/h)の速度でのIIHS軌道試験ではEyeSightシステムを搭載した「XV」が前方の障害物との衝突を回避することができました。また同システムは、米国の国道交通安全管理基準の前方衝突警告システムにも適合しています。
「XV 2.0i Limited」(北米仕様)に装備されているLEDヘッドライトは、ハイビームアシストを備えており、安全性のレーティングが向上しています。ハイビームアシストは、最近、日本でも話題になっている安全機能で、常時ハイビームを使用して、対向車が来たときだけロービームに自動的に切り替える機能です。IIHSは、ハイビームアシストを備えていなければ、「XV」のLEDヘッドライトは安全性の合格限界点に評価が下がり、ベース仕様のハロゲンランプでは低い評価しか得ることができないと、厳しい注文をつけています。
同様に2018年モデルの「 WRX」についても、ハイビームアシスト機能付きのヘッドライトが同車の安全性評価をTSP+の領域に押し上げるのに貢献したとしています。 2017モデルでは「WRX」は一段階下のTSP賞を受賞しましたが、ヘッドライトの安全性評価の面で「プラス」には達しませんでした。
北米市場はスバルの利益の大部分を稼ぐ重要市場で、今回「XV」と「WRX」の小型車2車種が最高安全賞を得たこと、特にEyeSightシステムの実効性が評価されたことで北米市場での販売増につながることが予想されます。
(山内 博・画像:IIHS)