選ばれた人だけが後席に座ることのできる、国産車で唯一といえる本物のショーファーリムジン「トヨタ・センチュリー」。その三代目モデルが第45回 東京モーターショーにて世界初公開されることが発表されました。
初代からの伝統を受け継ぐ、威風堂々としたスタイリングはひと目でセンチュリーと感じられるもの。そのボディサイズは全長5335mm、全幅1930mm、全高1505mm、ホイールベース3090mmと発表されています。
円形が無限に繋がる七宝文様を施したフロントグリルは、その文様が円満・ご縁などの意味が込められた縁起の良い文様とされていることから採用されたというのも、国産唯一のショーファーカーらしいエピソードではないでしょうか。
さて、その七宝模様の描かれたフロントグリルの奥に搭載されるパワートレインは三代目センチュリーでは大きく変更されました。専用設計であったV12エンジンを降ろし、現代的なハイブリッドシステムとなっているのです。
具体的には「2UR-FSE」型V8・5.0リッターエンジンに、2段リダクションシステムを持つハイブリッドユニットを組み合わせたシステムで、バッテリーもニッケル水素タイプ。すなわち現行型のレクサスLS600hのハイブリッドシステムを洗練したものが載せられていると予想されます。
「匠の技」を結集したセンチュリーに、ある意味で旧式のシステムを搭載するのは疑問も覚えるかもしれませんが、二代目モデルに搭載されたV12エンジンは、片バンクにトラブルが生じても、反対側のバンクだけで十分な走行性能を確保するといったフェールセーフ機能を持っていました。それだけ信頼性へのプライオリティが高いのがセンチュリーというモデルであると考えると、実績のあるハイブリッドシステムを採用するという選択をするのは自然なことだといえそうです。
(山本晋也)