クルマで行ける紅葉スポット東北編・その2は、岩手県と秋田県にまたがる八幡平国立公園、【八幡平アスピーテライン】をドライブします。
アスピーテとは、楯状火山のことを意味します。八幡平は雄大な火山、そして火山といえば温泉も豊富です。
八幡平アスピーテラインは、岩手県・八幡平御在所地区から秋田県・トロコ温泉まで、全長約27kmにおよび八幡平を横断するドライブウェイです。天候によっては10月から夜間閉鎖される日もあり、11月から翌4月までは冬期閉鎖となります。
東北自動車道 西根ICで降り、道の駅【にしね】から約6kmほどで国指定特別天然記念物【焼走り(やけはしり)溶岩流】が広がっています。
享保4年(1719年)正月、岩手山噴火の際東側の谷口から噴出した熔岩流が長さ約4km、幅1.5kmにもわたってダイナミックな風景を今に残すジオサイトです。荒涼とした大地の正面に見える岩手山が、この時期だけはうっすらと赤く色づきます。
東北自動車道 松尾八幡平ICで降りれば【松尾八幡平ビジターセンター】があり、そこを過ぎればもう【八幡平アスピーテライン】のはじまりです。
御在所にも駐車場とトイレがあります。そこから【御在所湿原】を廻る御在所沼遊歩道で、赤沼までトレッキング。赤沼は水に含まれた酸化鉄で沼面の色が変化するため「五色沼」とも呼ばれています。片道約25分です。
【源太岩展望台】を過ぎ、道を挟んで茶臼岳の向かい側あたりに【熊沼】が見えます。名所・展望所には駐車場があるので立ち寄りやすいのもおススメのひとつ。
【見返り峠】にある【八幡平山頂レストハウス】で休憩。駐車料500円。実はこのルートで行くと500mほど手前左側に無料駐車場があります。
ここを起点としたトレッキングコース(八幡沼・ガマ沼展望台コース 約60分・往復1.8km)は手軽に登山が楽しめるとあってファミリーにも人気です。
レストハウス駐車場の脇にある展望台からの眺めも素晴らしいです!
昼食は、レストランで【源太カレー】を。山に来ると何故かカレーが食べたくなります。牛スジを柔らかく煮込んだ、スパイシーなカレーです。
ちなみに「八幡平」の名の由来は、延暦16年(793年)、征夷大将軍・坂上田村麻呂がここを訪れた際に美しい景色に感動し、八幡大菩薩に感謝をこめて「八幡平」と名づけたそうです。「源太」というのは、坂上田村麻呂の家来で源太忠義、源太忠春 兄弟のこと。八幡平には「源太岩」「源太ヶ岳」「源太森」など源太と名のつく場所が点在しています。
見返り峠は岩手県と秋田県の県境。【八幡平樹海ライン】で松川温泉方面に南下して松尾八幡平ICへ戻るルートならじゅうぶん日帰り可能ですが今回は、そのまま秋田県側へ。
源泉が3つもあるという【蒸(ふ)けの湯】、硫黄の匂いとともに、あちこちから湯気が立ち上っています。いい雰囲気!駐車場にトイレもありました。温泉施設はかなりオープンで、男/女湯の小屋もあったけど丸見えのところも。
蒸けの湯からわずか1kmほどで、今度は【後生掛(ごしょうがけ)温泉】があります。アスピーテライン沿いは温泉の宝庫!あちこちから硫黄の匂いとともに蒸気があがっています。
後生掛温泉から【後生掛自然研究路】が整備されています。一周約40分。日本一の泥火山や大湯沼を間近に見ることができ、ゴーっという噴気の音、野鳥の声、大地の息吹が感じられます。
温泉と言えば定番の温泉たまご、途中の【しゃくなげ茶屋】でだけ「半熟」黒たまごを販売してるんです。しかも1個60円とリーズナブル! 半熟だと翌日までしか保たないので、2個で我慢。
後生掛自然研究路から大沼自然研究路まで遊歩道で繋がっているのですが、今回はクルマで約1km走って【八幡平ビジターセンター】に駐車し、目の前に広がる【大沼】を一周する散策コースを歩きます。
ゆっくり廻ると1時間くらいかかってしまうので、ポイントだけおさえたいなら半時計回りに行くと5〜10分ほどで写真の光景が見られます。
時間があるなら、国道341号線に出て【玉川温泉】へも訪れてみてください。紅葉シーズンじゃなくても週末となれば満車確実(県営玉川園地駐車場100円)なので、【ビジターセンター】もしくは【ブナ森駐車場】から徒歩が無難です。
ビジターセンターからは徒歩約10分、ブナ森駐車場からは徒歩約15分です。わたしはビジターセンターから歩いて行きましたが、その道すがらも紅葉が綺麗でしたよ。
紅葉のピークは一週間程度といわれます。また、強風などで葉っぱがこすられてしまうと赤くならずに茶色く枯れてしまうので、毎年同じようにはならないのです。
今だけしか見られない紅葉を堪能しに、お出かけください。
(松本しう周己)