ドイツ・ラウジッツで開催されたレッドブルエアレース2017の第7戦で、室屋義秀選手が今シーズン3勝目をあげました。
シーズン後半戦に入り、室屋義秀選手の前半戦の快進撃が止まってしまいました。8/22,23の第5戦ロシア・カザンではプラクテクィスでの好調が一転、決勝のラウンド・オブ・14飛行時の天候不良に翻弄され、まさかのノーポイント。第4戦の勝者、カービー・チャンブリス選手が2連勝を飾りました。
9/2,3の第6戦ポルトでは現地で機体フレームにクラックが見つかり、修復の為に金曜のフリープラクティスをキャンセルする事態に……。
決勝の出場自体が危ぶまれる中、他チームの協力も受けて修復された機体は土曜の初飛行で7位のタイムを出し、闘えるレベルまで復旧した事が伺えました。
しかし、決勝ではラウンド・オブ・8で「敗けてはいけない相手」マルティン・ソンカ選手との直接対決に敗北。しかも、ソンカ選手は優勝を飾り、ポイントリーダーに立ちました。
第7戦を前に室屋選手のランキングは首位から4位まで転落。首位ソンカ選手とのポイント差は10となり、2戦を残して自力優勝の可能性が消滅しました。優勝しても1位と2位の差が3ポイントしかないエアレースでは残り2戦でこの差はかなり絶望的。タイトル獲得を望みを繋ぐには、他力本願でもまず「勝つ」しかありません。
第7戦の舞台ラウジッツはドイツの北部のユーロスピードウェイ:ラウジッツリンクを利用して行われました。2000年に開業したこのサーキットは、インディ(チャンプ)カーやDTM、スーパーバイク選手権の開催でモータースポーツファンには馴染み深いですが、このイベントを最後にモータースポーツ興行を終了、来年には企業のテストコースとなります。
そんなサーキットを利用して開催された第7戦のコースは、トライオーバルのスーパースピードウェイとサーキット部分の上空を利用し、反時計回りに2周するレイアウト。周囲には風力発電の風車が多く、風の強い場所でもあります。
室屋選手の機体は前戦ポルトで応急処置を行ったフレームのクラックが再度発生。修理のために時間を割き、充分な調整時間が取れませんでした。不幸中の幸いは、調整が時間が無い中でも充実したようで、フリープラクティスでは50.004という最速タイムを叩き出しました。
土曜の予選は曇天ながらも微風。ここ数戦復調の兆しを見せるマット・ホール選手が50.227で今シーズン初の予選トップを獲得。今シーズン導入した新機体とのマッチングが遂に達成されたようです。2位には50.299を出したランキング5位のペトル・コプシュテイン選手がゲット。
室屋選手は50.400で3位。一方、タイトルを争うライバル達はチャンブリス選手が4位、ソンカ選手が5位、マクロード選手が7位と下位でかつ、決勝ラウンド・オブ・14で室屋選手と対戦しない順位となりました。