ルノー・日産アライアンスが新6か年計画「アライアンス2022」を発表。2020年に初の完全自動運転を目指す

同アライアンスによるシナジーについて見ていきましょう。冒頭で紹介したように、2017年上半期の販売台数は前年比7%増の527万台。現在、EVの累計販売台数は50万台以上となっています。

3社の合計年間販売台数は、新6か年計画「アライアンス2022」の終了時までに合計1,400万台以上になると見込まれています。最終的な売上高の合計は、計画終了時には2,400億ドルとなる見込みで、これは2016年の1,800億ドルから30%以上の増加。

プラットフォームやパワートレーンの共有化も推進されます。先述したように、2022年には4つの共通プラットフォームで900万台以上の車両を生産(2016年は2つの共通プラットフォームで200万台)。エンジンは、同計画終了までに31のエンジンのうち22を共有し、2016年は38のうち14を共有するとしています。

さらに、「CMFアーキテクチャー」をベースにしたアライアンスの共通プラットフォーム戦略を拡大させ、自動運転に対応した新しいEV共通プラットフォームと、ミッドサイズ用のBセグメント共通プラットフォームを追加。新たに陣営に加わった三菱自動車もCMFアーキテクチャーを活用するとともに、2020年までに共通のパワートレーンを車両に搭載するとしています。

EVで業界トップになることを掲げています。

  • 2020年までに、複数のセグメントに展開可能なEV専用の共通プラットフォームを実用化。2022年までにはEVの70%が共有プラットフォームベースに
  • 2020年までに、新たなEVモーターおよびバッテリーを投入し、アライアンスで共有
  • 2022年までに、100%EVを12車種発売
  • 2022年までに、EVの航続距離600kmを達成(NEDCモード**
  • 2022年までに、バッテリーコストを30%削減(2016年比)
  • 2022年までに、15分の急速充電で走行可能な距離を2016年の90kmから230kmに拡大(NEDCモード)
  • 最適化されたフラットなバッテリーパッケージで室内空間を拡大し、柔軟なスタイリングを可能に
  • 2022年までに、アライアンス共通のC/DセグメントのPHEVソリューションとして、三菱自動車の新しいPHEV技術を採用

さらに、2020年には完全自動運転を実現することも掲げられています。

  • 2018年:高速道路高度自動運転車両(ドライバーが常に周囲を監視する)
  • 2020年:市街地高度自動運転車両(ドライバーが常に周囲を監視する)
  • 2020年:高速道路高度自動運転車両(ドライバーが必要に応じて運転に関与)
  • 2022年:初の完全自動運転車両(ドライバーの運転への関与は不要)

そのほか、コネクティビティやモビリティサービスを発展させるなど、6年先を見据えた新しいアライアンスの姿を提示しています。EVや自動運転などの次世代技術は1社だけでまかなえないのは明白ですから、3社からなる同アライアンスが自動車業界をどれだけリードできるのか、あるいはさらなる提携があるのか今後の動きから目が離せません。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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