いわゆる「ディーゼルゲート事件」を引き起こし、「EVシフト」への流れを加速させた一因という感のあるフォルクスワーゲン。
フランクフルトモーターショーの場で、電動化を推進すると公表しました。販売台数世界一の自動車グループであるフォルクスワーゲンが表明したのは、「Roadmap E」(ロードマップE)という行程表で、自動車業界では世界最大規模となる電動化攻勢を開始すると宣言。
フォルクスワーゲンでは、遅くても2030年までに、全モデルラインアップの電動化を完了する目標を掲げています。これは、2030年までに、グループ全ブランドの約300台のモデルそれぞれに、1台以上の電動化バージョンが設定されることになります。
自動車メーカーではボルボが2019年以降、全車種を電動化(EV、マイルドハイブリッド、プラグインハイブリッド)すると宣言していて、1000万台規模の自動車グループで電動化を宣言するのは、フォルクスワーゲンが初となります。
なお、VWは、2016年6月に発表した将来に向けたプログラム「TOGETHER – Strategy2025」において、2025年までに電動化車両の分野で世界ナンバー1になるという目標を掲げています。
VWでは、2025年までに自ら生産するEVだけでも、年間150GWh(ギガワットアワー)以上のバッテリー容量が必要となる試算していて、少なくとも4つの大規模のバッテリーセル工場の年間生産能力に相当するそう。VWは需要を満たすため、総額500億ユーロを超える、自動車業界では最大規模の入札を実施しています。
今回のフランクフルトモーターショーにおいてVWは、「Roadmap E」の下でステージに進むと宣言。2025年までにグループのブランド全体で、合計80超の新型電動化車両を発売し、そのうち約50車種はバッテリーEVのいわゆるピュアEV、残りの30車種がPHV(プラグインハイブリッド)となる目標を掲げています。
さらに、その後数年間で電動化車両を飛躍的に増加させるそうです。遅くても2030年までには、VWグループの各ブランドが世界市場で販売する合計約300に達するモデルのそれぞれに、少なくとも1車種以上の電動化車両が設定されるとしています。
(塚田勝弘)