SUPER GT 第6戦 第46回インターナショナルSUZUKA 1000km が開催中の鈴鹿サーキットで、8月26日にサーキット専用気象情報配信サービス「CIRCUIT LIVE WEATHER」の記者発表会が行われました。
このサービスはサーキットに特化した気象情報を配信するもので、スマートフォン版のアプリと、パソコンでWEBブラウザを通して利用するPROの2種類で提供されます。サーキット内とサーキットの周辺地域に設置した小型気象計を利用して各種天候データ(気温、湿度、気圧、風速、日射、雨量など)を計測、3G回線でそのデータをクラウドサーバーに格納する仕組み。
PRO版ではサーキット周辺に設置した気象計のデータが表示され、サーキットのどの方角から天候が変化するかが一目瞭然となります。
またスマートフォン版ではサーキット内に設置した気象計のデーターを確認でき、現在の気象情報からこの先の雨量や気温などを予測、表示します。
これらのデータを取得する気象計の設置には周辺自治体の協力が不可欠で、鈴鹿市では8月24日にシステムの設置と運用に関する協定をサービスの母体となる株式会社千代田組と締結。発表会の壇上で鈴鹿市の亀井秀樹副市長は「本市はモータースポーツ都市宣言をしており、この取り組みもそれにそったものとなる。またこの気象計やシステムは将来的には市民が違う形で活用できるため、この取り組みには協力していきたい」と語っています。
コミュニケーションパートナーとしてこの事業に参加するGTアソシエイションの坂東正明社長は「サーキットだけでなく、ゲリラ豪雨、雷など防災の観点でも意味があり、その観点で行政の方にも一緒に取り組んで頂いている。鈴鹿市には小学校に15カ所、隣の津市で12カ所、また御殿場市と小山町にもご協力いただいている」とコメント。
また、行政での利用はどのように考えているか?との質問にはプロデュースを担当したシンマークの大橋逸夫代表から「気象計のシステムから蓄積されるのは単なるデータなので、それをいかに見せていくかはそれぞれの利用サービスごとに違ってきます。サーキット専用のCIRCUIT LIVE WEATHERと周辺自治体の市民向けのサービスは別に考えています」とコメント。CIRCUIT LIVE WEATHERとは別に自治体向けのサービスも将来的には視野に入っているようです。
CIRCUIT LIVE WEATHERのスマートフォン版の画面では、鈴鹿サーキットの場合は西コースと東コースの2箇所に設置された気象計からのデータを切り替えて表示でき、現在の天候とこれからの予測が確認ができます。
現在、SUPER GTが開催される国内サーキットには全て場内に気象計が設置されているということで、スマートフォン版では鈴鹿サーキットだけでなく、6箇所のサーキットを選択可能。またPRO版で使われる周辺に設置の気象計は、鈴鹿サーキットでの設置が完了しており、引き続きツインリンクもてぎに設置されるそうです。
試験運用も始まっており、PRO版は登録すれば利用可能、アプリ版はダウンロードで利用可能になっています。正式サービスの開始は来年度を現時点では計画しているそうですが、現時点では正確な日程は未定で、試験運用中はPRO版もスマートフォン版も無料で利用可能です。なお、正式サービス後の課金については現在検討中とのこと。
実際に8月26日の朝、鈴鹿サーキットでの一瞬の豪雨を予測したという実績もあり、モータースポーツ観戦にはスマートフォン版が必携アイテムになりそうな予感です。
(写真・文:松永和浩)
【関連リンク】
CIRCUIT LIVE WEATHER
http://www.clweather.com/