独・コンチネンタルが示す自動運転の近未来「クルージングショーファー」とは?

日本では「何事も法整備が先で、社会を巻き込んだイノベーションが起こしにくい」という指摘があります。確かに、自動運転に関しても法整備やインフラ待ちという空気がありますが、世界は待ってくれません。先日、ドイツのメガサプライヤーであるコンチネンタルが、同社にとって最新の自動運転の将来像を発表しました。

同社は「クルージングショーファー」という考えを掲げ、高速道路だけでなく周辺道路でもオートパイロット機能を可能にすることで、長距離移動だけでなく日々の通勤などでもドライバーをサポート。

また、低速運転時の自動化の範囲を広め、駐車アシストやリモート駐車、ガレージ駐車、バレーパーキングといった新しい機能により、ストレスを伴う駐車をドライバーから引き受けるとしています。最もうれしいのは、駐車場探しが過去のものになる点で、駐車スペースがより効率的に活用されるとしています。

クルマ自身が駐車を行う「トレインドパーキング」などの自動駐車機能も普及すると予想。「トレインドパーキング」は、駐車手順の記憶し、同じ手順で駐車を繰り返す際、ドライバーは記録を開始した場所の近くまで運転し、そこでボタンを押すことで、以前に学習した駐車手順を自動で実行するものです。

また、2030年に世界のモビリティ市場で大幅なシェアを占めることが予想される自動運転車(ロボタクシー)を見据え、同社では将来の新しい都市型モビリティにも注力しています。

さらにコンチネンタルは、主に都市部を想定した無人運転車を利用したモビリティを可能にするデモ車両の「CUbE(Continental Urban mobility Experience)」を製作しています。

この車輌はコンチネンタルのフランクフルト拠点で試験運行が行われていて、同社製のセンサー、アクチュエータ、制御ユニット、通信やネットワーキング技術を使用。同社では、自動運転向けに採用されている技術は広範囲で、複雑であるため、幅広い基盤と統合アプローチをもつ企業が自動運転を提供できると見込んでいます。

(塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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