電動化車両らしい安定感。MINI初のPHEV「MINIクーパー S E クロスオーバー ALL4」の走りをチェック

街中(お台場)から走り出すと、ディーゼルエンジン仕様と同じやや硬めの乗り味と、MINIらしいキビキビした動きは健在。

ただし、ディーゼルエンジンの4WDよりも140kgも重い1770kgという車両重量もあってか、切れ味の鋭さよりも安定感を抱かせるフットワークで、床下(後席下から荷室奥)に重いリチウムイオン電池を搭載している、いかにも電動化車両といえる動きになります。

ゆっくり走り出すとエンジンが始動しないのは「BMW 225xe アクティブ ツアラー」と同様で、高速道路への合流時や追い越し時に深く踏み込むとエンジンが始動します。また、街中でも上り坂でもエンジンが始動するなど、EV走行だけですべてをまかなうのは無理があります。

さらに、高速道路で加速を続けたり、上り坂が続いたりするシーンだとエンジンも始動するハイブリッド走行にチェンジ。感覚的には、ハイブリッド走行の頻度が多く、EV走行の距離は長いとはいえません。

しかし、エンジンが始動しても車内に侵入する音が大きく高まることはなく、車内は比較的静か。快適性が損なわれるわけではありませんのであまり気にする必要はなさそう。

後席はディーゼルエンジンなどよりも座面(ヒール段差)が高く、スライドもできません。また、荷室容量は405-1275L(ガソリン、ディーゼル車は450-1390L)と若干小さくなっています。

それでも大人が無理なく4人乗れて、荷物もそこそこ積める。何よりもPHEVらしい静粛性や直進安定性の高さ、そしてMINIらしいキビキビ感も適度に抱かせる「MINIクーパー S E クロスオーバー ALL4」。個性的なCセグメントモデルを探しているなら面白い選択肢といえるかもしれません。

(文/写真 塚田勝弘)

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この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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