昨日は、先日取材させていただいた「俥亭」オーナーで、元三栄書房編集部の木村さんにお声がけいただき、プチ「すべてシリーズ」同窓会。参加メンバーは、「すべてシリーズ」の元祖使い勝手ページ担当の渡辺さん、木村さん、そして鎌田さん、私の4人。
「すべてシリーズ」とは三栄書房から販売されている自動車専門誌ですが、正式名称は「モーターファン別冊ニューモデル速報○○のすべて」。通称「すべてシリーズ」。当時、日本最古の自動車雑誌「モーターファン」本誌から派生し、まるごと一つのモデルを取り上げる本で、インプレッションはもちろん、開発者のインタビューや、デザイン、メカニズム、バイヤーズガイド、ライバル車との比較、使い勝手ページ、巻末にはカタログが掲載されているため、この一冊あれば、そのクルマのことが手に取るようにわかるというもの。
1981年に創刊されましたが、その後「モーターファン」本誌は休刊。しかし「すべてシリーズ」は脈々と続いています。
私の登場は93号目、1990年発売「オートザム・レビューのすべて」から。そこから27年もの間、お世話になっています。と言いつつ、今年はまだ登場していませんが。(-_-;)
当時の「使い勝手」ページの担当は、渡辺さん。当時、「すべてシリーズ」編集部は神戸編集長、渡辺さん、木村さんの3人体制でしたが、実はこの「使い勝手チェック」というページは、渡辺さんが発案したもの。つまり「使い勝手」ページの生みの親。私がお世話になった当初の「使い勝手」担当は、もちろん渡辺さんでした。そしてその後の担当が木村さん。木村さんは私をやたらとトランクルームに入れて、トランクの広さを表していたのが印象的。ちょうど写真はフィルムからデジタルに移行する頃でしたが、木村さんはフィルムに最後までこだわっていました。そして鎌田さんは、ほかの編集部から「すべてシリーズ」に異動し、使い勝手担当ではありませんでしたが、「すべてシリーズ」卒業生。木村さんとは少し前にお会いしていますが、ほかの方々とは10年以上ぶりです。
当時の懐かしい話から、ここには書けないような話も多数!
ちなみに現在まで、従来の「すべてシリーズ」は556冊。数年前からはほかに「ミニバンのすべて」や「軽自動車のすべて」のような同じカテゴリーのクルマが掲載されている統括本、輸入車やメーカーごと、そのほかも様々な切り口で「すべてシリーズ」が増加していますが、すべて合わせたら…数知れず(笑)。今や、三栄書房の雑誌部門を支える大黒柱となっています。
そんなマニアックな雑誌の中の1コーナー「使い勝手ページ」ですが、私はその中で3代目のモデルを務めさせていただいています。試乗記がメインの自動車雑誌の中で「使い勝手」は刺身のツマのような存在ですが、私はその経験もあってかクルマは乗るもの大好きですが、装備類の使い勝手チェックが大好き。試乗記を書く方は大勢いますが、そうではない部分でのクルマの楽しさを伝えていきたいと思っています。今はそういう方がだいぶ増えましたが…。
私がすべてシリーズに携わって今年で27年。「使い勝手」という分野はだいぶ世の中に認知されてきたように思います。この後、クルマ自体はどんな方向に向かうかわかりませんが、「使い勝手チェック」に関しては、むしろ更に必要とされるかもしれません。
(吉田 由美)