ZFの最新ADAS(先進運転支援システム)搭載車「Vision Zero Vehicle」に試乗「どれもがすぐに実現してほしい」

それから今度はよそ見、または居眠りをします。運転席前方に設置された学習機能付きのカメラがドライバーの様子を読み取り、運転者が前方を見ていないことを検知するとシートベルトや警報で危険を知らせ、場合によっては安全に停止してくれます。

また、直接の安全運転支援ではありませんが、このVision Zero Vehicleはコンソールのジョグダイヤルでステアリング操作することができます。すべてをバイ・ワイヤで行っていることと、後輪の操舵も制御していることがはっきりとわかります。将来、ドライバーの目の前からステアリングホイールがなくなる日が来ることを示唆しているようです。

「開発中の実験車両」と聞くと「まだまだ実用には遠いな」とか「そんな機能ホントに必要?」などと考えさせられる(ある意味落胆する)ことが少なくないですが、このZFのVision Zero Vehicleは、どれも普及して欲しいもの、条件次第ではすぐにでも実用可能なもの、に感じます。

何が必要とされていて、今できることは何か? 自動車業界、サプライヤ業界にとって今まさにビジョンが問われ、素早い着実なステップが今、急務なんだと感じさせられました。

(clicccar編集長 小林 和久)

この記事の著者

小林和久 近影

小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務めた。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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