日本への導入が待ち遠しい、530dツーリングのパフォーマンス【BMW 5シリーズ ツーリング試乗】

試乗したのはBMWの本社があるミュンヘン近郊で、520dツーリングと530dツーリングの2車種に乗った。

最初に驚いたのがディーゼルエンジンの静粛性だった。撮影のために交代しながら乗ったとき、止まっている520dツーリングも530dツーリングもアイドリングしているのはわかるものの、ボンネットの横で聞いていても今のガソリンエンジンより静かで本当にディーゼルかと疑うほどだった。

さらに走り始めても静かだった。アクセルペダルを床まで踏み込んで加速したときにも、ガチャガチャ音はまったく聞こえず、モゴモゴッとした音が遠くから聞こえる感じだ。低回転から力があるディーゼルだからアウトバーンを走っているときもエンジン回転数は低く、さらに巡航状態なら当然だが加速時より静かになる。タイヤからのパターンノイズ、ロードノイズなどの走行音や風切りなどの絶対音量が小さいので、車内はいかにも高級車という雰囲気を醸し出していた。

このエンジン音が静かな理由を試乗後にエンジニに尋ねたら、エンジンルームをカプセル化した効果だという。キドニーグリルのシャッターも音を遮断する効果があるそうだ。またエンジンルームとキャビンの間にあるバルクヘッドも防音効果を高めたことも効いているらしい。

まずは520dツーリングでミュンヘンから南に位置するテーゲルンゼーという湖に向かって、指定されたルートを走った。約175km/2時間のコースである。やはり100kgも軽量化されたボディと20Nmアップしたトルクによって気持ちのいい加速を味わえ、快適なドライブを楽しめた。

乗り心地、静粛性などの快適性はまるで7シリーズに乗っているようだし、アクセルペダルに対する反応も気持ち良かった。ハンドリング性能も重量が軽い4気筒エンジンだからワインディングロードも軽快に走れた。