10代目R34スカイラインがアピールした「BMWか、メルセデスか、新しいスカイラインか」とは!?【スカイライン60周年記念】

グランドツーリングカーとしての実用性と快適性を高めたR33スカイラインでしたが、地味なマスクと大柄ボディ、ロングホイールベースなどのために、スポーツ度が物足りないという評価が定着してしまいました。

そこで10代目R34スカイラインが目指したのは、R32が備えていたスポーツ性能への原点回帰。高剛性ボディで更なる進化を果たすとともに、R32の弱点である居住性を改善するべく開発が進められました。

また気合も半端ではなく、ティザーキャンペーンでは「BMW か、メルセデスか、新しいスカイラインか」と強くアピール。当時のTV-CMをネット動画で見てみると、ドイツ車との比較でポテンシャルの高さを訴求しようとしていることが伺えます。

1998年に登場したR34スカイラインは、4ドアセダンと2ドアクーペを設定。ホイールベースを55mm短縮して取り回しを改善。またパッケージングを工夫して、R33と同等の後席居住性を確保しました。

そしてR34スカイラインの新たな武器が、キャッチコピーの「ドライビングボディ」でした。ボディ剛性を徹底的に強化することで4輪マルチリンクサスの性能を引き出し、スポーツ性能のレベルアップを実現。「ボディは力だ」という硬派なTV-CMのセリフは、今でも印象に残っています。

エンジンは全て直6・RB型のDOHCで、2Lのリーンバーンと2.5L、そして2.5Lターボの3種類を搭載。2.5Lターボは自主規制上限の280psに到達。また4WSの電動スーパーハイキャスは、レスポンスと精密制御を両立しました。

ただセダンとクーペともにフロントマスクが地味だったため、せっかくの高性能がデザイン面で訴求できていなかったのは残念なところ。またバブル崩壊のために、国民は資産も余裕も目減りする一方でしたから、販売面でも苦戦を強いられました。