日産が「DATSUN」ブランドを復活!?

報道によると、日産自動車が「DATSUN」(ダットサン)の名前を復活させる可能性が有るそうです。カルロス・ゴーンCEOが2002年に「ダットサン」復活に前向きな発言をした経緯も有るようですが、今回「DATSUN」は新興国向けに投入する低価格車のブランド名として復活を検討している模様。  「DATSUN」は1934年に「日産」が発足以降、海外向けのブランド名として長く使われてきましたが、1981年に海外仕様も「NISSAN」ブランドで統一することになり、「DATSUN」の名前が消滅。その後1989年から「INFINITI」が海外向け高級車を扱うブランドとして確立され、現在に至っています。 

そもそもダットサンとは日産自動車の前身の「ダット自動車製造」(1926年設立)が 1932年に誕生させたブランド名で創立メンバーである、田 健治郎の「D」、青山 禄朗の「A」、竹内明太郎の「T」の頭文字 を採り、早く走ることの例えの「脱兎(だっと)」に掛けた「脱兎号(DAT CAR)」がその始まり。

 
世界にその「DATSUN」の名前を知らしめたのは510型3代目ブルーバードの功績が大きく、1970年に第18回サファリラリーで総合&チーム優勝を達成、世界中で高い評価を得ました。世界に先駆けてフロントドアの「三角窓」を廃止、曲面ガラスを採用、リーフ・リジッド式(板バネ)のリアサスペンションが一般的だった時代に逸早く独立懸架を採用。ディスクブレーキを全輪装備するなど、当時としてはかなり先進的なメカニズムを有していました。
サファリラリー優勝でその耐久性についても大いにアピールされる結果となり、累計生産台数150万台以上の大ヒット作に。米国では未だに根強いファンが多く、現在でも色々なイベントに登場する程の人気ぶり。
今回の「DATSUN」ブランド復活はそんな記憶を蘇らせるもので、日本国内でも上手くブランド構築すれば大いに話題になるような気がします。もっと言えば、この美しい510型ブルーバードのデザインを今風にアレンジして最新のメカニズムを投入、新生「DATSUN」ブランドの目玉車種にするのもいいかもしれません。クルマ好きとしてはそんな刺激的な一台が欲しところですが、日産さん、如何でしょうか? 

Avanti Yasunori

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この記事の著者

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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