メルセデス・ベンツやフォルクスワーゲン(アウディ)、BMWなど欧州の自動車メーカーが「標準化」といえるほど急速に採用している48Vマイルドハイブリッドシステム。
ハイブリッドはご存じのように、トヨタが先行してきましたが、北米などでZEV規制から外されています。それでもEVやPHEVの普及まではガソリン車に欠かせない技術なのは変わりありません。
欧州勢が中心に推し進めている48Vのハイブリッドシステムは、ピュアEV(バッテリーEV)やPHEV(PHV)への過渡期段階に過ぎない、という指摘もあるものの、少しでもCO2排出量を減らす(コストを掛け過ぎることなく)には打ってつけのシステム。
従来のハイブリッドなどでの回生量は良くて10%程度という中、捨てている減速エネルギーを少しでも回生し、オルタネーターの大容量化により燃費を15%程度向上させるとしているのが48Vマイルドハイブリッドです。
独ボッシュは、48Vハイブリッドシステムを日本の自動車メーカー向けに2019年にも投入すると発表しました。
48Vは従来の高電圧ハイブリッドシステムよりもコストを抑えながら燃費向上にも貢献するシステムです。
具体的には、エネルギーの回収とコースティング中にエンジンを停止するスタート/ストップコースティングの搭載により、先述したように燃費を最大15%低減させることが可能とのこと。
さらに、燃費だけでなく、ブースト機能によるパワフルな走り、48V化による車載コンポーネントのパワーネット最適化やエアコン機能など快適性能の向上などの利点もあります。また、システム構成によっては、駆動力向上や短距離の電動走行も可能になるそうです。
ボッシュでは、日本の自動車メーカー向けから複数の48V ハイブリッドシステムを供給し、2019年以降順次量産が開始される予定としています。
さらに、2018年初頭からは、eモビリティに特化した事業部門と既存のガソリ ン システム事業部とディーゼル システム事業部を統合させた「パワートレーンソリューションズ事業部」を設立。自動車メーカーなどに対して、パワートレーンに関するすべての技術をコンポーネントからモジュール、システム一体などあらゆる形で提供するそうです。
また、燃料電池のシステムについては、2017年の初めに燃料電池システムに特化した組織、「FCEVプロジェクト推進室」を日本国内に新設し、日本の自動車メーカーへのソリューション提案を強化すると発表しています。
(塚田勝弘)