マイルドハイブリッドの拡大に大手クラッチメーカーからの新アイデア【人とくるまのテクノロジー展17】

毎年5月、パシフィコ横浜を会場に開催される「人とくるまのテクノロジー展 横浜」は、自動車に関する最新テクノロジーやトレンドを一望できる一大イベントです。サプライヤー(部品メーカー)の各ブースでは、自動車メーカーに売り込もうと、様々なプロトタイプを参考出品されていました。

クラッチメーカーのEXEDY(エクセディ)が参考出品していた『ダイレクトドライブiSG』も、そうしたプロトタイプのひとつ。ディスプレイされている状態は、製品というよりはイメージを伝える模型といえるものですが、現在のマイルドハイブリッド・トレンドにジャストフィットしたアイデアです。

クラッチメーカーとしてクラッチやトルクコンバーターと自由に組み合わせることのできるブラシレスモーターを開発中というのです。現在、マイルドハイブリッドではエンジンとトランスミッション間に薄型モーターを挟むタイプや、ベルト駆動の発電機をスタータージェネレーターとして発電と駆動の両方に使うタイプがありますが、前者のレイアウトにおいて優位性を見せるのがエクセディのアイデアです。

メンテナンスフリーのブラシレスモーターをクラッチ/トルクコンバーターの外周にセットすることにより、エンジン始動(スターター)の役割から駆動アシスト、そして回生ブレーキやジェネレーターとして、ひとつのモーターで四役をこなしてしまうというマルチプレイヤーぶりをアピールします。

また、クラッチ/トルクコンバーターと一体となることでスペース的にも有利ですし、コスト面でも優位性を持たせることができるといいます。まさにマイルドハイブリッド化を進めるのにあたり、一石二鳥となるのが『ダイレクトドライブiSG』というわけです。

(写真・文 山本晋也)

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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