まるでSUV用のレグノ!? ブリヂストンの新しいプレミアムSUV向けタイヤ「ALENZA(アレンザ)」快適な乗り心地とオンロード性能を発揮

新しいプレミアムSUV用のタイヤ「ALENZA001(アレンザ・ゼロゼロワン)」の試乗は、栃木県にあるプルービンググランド(試験場)で行われました。テスト車両は日産エクストレイルです。

コースはハンドリング路と言われる比較的フラットなワインディングロードで、ドライ路面とウェット路面が設定されていました。ドライ路面で走ってみると、SUV用タイヤとは思えないほどに高い静粛性が目立ちました。乗り心地に関しても硬さもなく、快適なものでした。

一般的なSUV用タイヤのトレッドはグルーブ(溝)が深く、ブロックも大きく硬いものが多いですが、「ALENZA001」のトレッドデザインは、4本のストレートグルーブをメインとしたもので乗用車用的です。こうした乗用車用的なデザインが静かで快適な乗り心地を実現しているのでしょう。

ステアリングを切っていった際はスッとクルマが曲がっていくタイプのセッティングです。急な挙動の発生はなく、上質な印象。左右にステアリングを切ってクルマを振りましてみても、安定感がは失われません。回り込んだ横Gたまるコーナーではしっかりと粘り強いグリップを披露しました。

舞台をウエット路面に移し同様に走らせてみても、十分に納得のいく性能です。限界を超えた速度でコーナーに入っていっても、挙動は急激には変化せず、グリップの低下は穏やかで扱いやすい印象でした。ウエット路面でのブレーキングも安定感があり、予想した距離で停止します。

全体的にみてSUVタイヤとは思えないほどに非常に上質なフィーリングを示してくれました。ブリヂストンにはレグノというコンフォート系のタイヤがありますが、「ALENZA001」はまるでSUVタイヤのレグノのような雰囲気を持ったタイヤに仕上げられていました。ただ一つ残念なのは、サイドウォールのデザインがのっぺりとしていて、高級感に欠けることでした。これはどこかのタイミングで修正をしたほうがいいでしょう。

(諸星陽一)

この記事の著者

諸星陽一 近影

諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
続きを見る
閉じる