歩行者用エアバッグは衝突による展開ではなく、人為的にスイッチを入れるデモンストレーションでした。最初のデモは歩行者用エアバッグを展開させるだけ、2回目のデモは雪に模した発泡スチロールの粒をエアバッグ部分に被せての展開で、これはリアルワールドで雪などが積もっていてもきちんと作動することを証明するものでした。
また、歩行者用エアバッグは歩行者以外との衝突では展開しないことを証明するため、ペットボトル(2L×8本)を載せたショッピングカートとの衝突や、水深50cmのプールへの進入なども行われ、いずれも何事も起きない様子をデモンストレーションしました。
多くの歩行者用エアバッグはボンネット後端部を火薬で持ち上げてから展開する方式が採られていますが、インプレッサ&XVに採用されている歩行者用エアバッグはボンネットとフロントウインドウの間に設置しているため、エアバッグ以外の装置が不要でコストを大幅に抑えることができています。
アイサイトのヒットは日本の消費者がクルマの安全性を重要視して買うことを証明しました。この傾向はしばらく変わることはなく、今後も安全性の高いクルマがヒットしていくことになることでしょう。安全性の高いクルマがリーズナブルに買えることで、日本の自動車界はますます素晴らしいものとなるはずです。
(諸星陽一)