総販売台数が1,025万台(前期比+16万台)に増加し、原価改善や営業努力で6,500億円を抑制したものの、円高の影響(9,400億円)や諸経費の増加(5,300億円)、その他(395億円)の要因で営業利益を約1.5兆円押し下げる結果に。
トヨタでは、今期(2017年4月~2018年3月)も円高が続くと見て、2期連続の減収減益を見込んでおり、記者会見で豊田章男社長は「今回の決算は、為替の追い風も向かい風もない中、正に現在の等身大の実力が素直に表れた」としており、「今期に対する私の思いは、自分達の等身大の姿を真正面から見据え、徹底的に競争力を磨いていく年ということに尽きる」と述べています。
おりしも同社の世界販売の3割近くを占める米国では、ガソリン安を背景に、山岳路などでも楽しめるSUV人気に伴い、セダン(HV・PHV含む)の販売が新車、中古車問わず低迷しており、インセンティブ(販売奨励金)も嵩む状況。
さらには、EVや自動運転技術の実用化に向けた研究開発・設備投資も利益を圧迫する要因になっており、経営的には当面厳しい状況が続くと予想されます。
豊田章男社長はそうした状況の中でも、「未来への投資」については安定的、継続的に進めていく必要があるとして、今後も10年先、20年先を見据えた種まきを続けていくとしており、その言葉からは、目先の状況に捉われず、「未来」のために「今」を変える強い覚悟で、自らリスクを取って道を切り拓いていこうとする強い意思が窺えます。
(Avanti Yasunori・画像:トヨタ自動車)
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