【SUPER GT2017】荒れまくりの開幕戦岡山。GT300はGT3勢が表彰台を独占!

4月8〜9日に岡山国際サーキットで開催されたSUPER GT開幕戦「2017 AUTOBACS SUPER GT Round 1 OKAYAMA GT 300km RACE」。

4月8日に開幕戦恒例のドライバー集合写真が撮影されると、いよいよ予選が始まります。

予選ではLEON CVSTOS AMGがポールポジション、グッドスマイル 初音ミク AMGが2番手と、フロントローをメルセデスAMG GT3が独占!3位には昨年のチャンピオン、マザーシャーシ勢筆頭ともいえるVivaC 86 MCが入りました。

決勝の行われる4月9日、午前中は雨が混じる不順な天候でサポートレースのFIA-F4ではレインタイヤを装着するチームも数多くいたが決勝前のスタートセレモニーでは雨雲が姿を消し、雲は残りながらも日が差してくる落ち着いた天候となってきた。

そして2時34分に岡山県警の白バイ隊先導でパレードラップがスタート。しかしここでアクシデントが発生GT500クラスのARTA NSX-GTがパレードラップ中にストップ。赤旗が出てスタートは延期となります。一度ホームストレートでクラス別に整え直した後、セーフティカー(SC)先導によるスタートとなりました。なお周回数を1周減算の81周。

セーフティーカーがピットインした直後、いよいよ決勝レースがスタート。このスタート直後からLEONとの差を一気に縮めに入った初音ミクは、LEONの背後にぴったりと付いて抜きどころを探ります。

しかしここでまたもやSC導入。ピットスタートだった埼玉トヨペットGreenBraveマークX MCがダブルヘアピンの立ち上がりでクラッシュしてしまったのです。

そしてレース再開後もLEON vs 初音ミクの攻防は続きます。何度もサイドバイサイドで横に並びながらも抜く機会をうかがうところを見れば明らかに初音ミクが優勢。そして18周目にLEONを抜いて初音ミクがトップに躍り出ます。

上位3台とそれ以降というほど大きな差が付いていたGT300のトップグループですが、まず最初にピットインしたのがVivaC 86 MC。27周目に左側2本交換でピット時間を短縮しピットアウトします。ここで2位を行くLEONがピットに入ったときには前にいるという計算だったのでしょう。

そして28周目にLEONがピットイン。タイヤ4本交換でピットアウト。かろうじてVivaC 86 MCの前でコース復帰できたのですが、タイヤが温まりきっていないために直後に迫ったVivaC 86 MCにパスされてしまいます。

29周目には初音ミクもピットイン。左側2本交換でピットアウトしVivaCの前へ!実質トップをキープしたままコースに復帰していきました。

その後もVivaCとLEONの攻防は続きます。そして初音ミクはといえば、周回遅れをキレイにかわしながら2位に10秒以上も差をつけてトップを独走。

順調に周回を重ねる初音ミクでしたが、折り返しを過ぎた49周目にレースを振り出しに戻すアクシデントが起きてしまいます。

Ferrari 488 GT3がGT500のEpson Modulo NSX-GTに接触し、跳ね返されるようなカタチでコンクリートウォールに正面から激突!フロント部分がなくなってしまうほどのダメージで、コース上に破片が散乱し、またもやSCが導入されます。

初音ミクにしてみれば、せっかくの大量リードを一瞬で帳消しにされるSC導入に片山右京監督の心中は穏やかではない様子。

しかし、SCが解除されてみれば、それは杞憂だったことがすぐにわかるほど、谷口信輝選手のスタートは素晴らしいもので、2位以下を一気に引き離していきます。

その2位以下、というよりも2位争いは熾烈を極め常にサイドバイサイド、テールトゥノーズという接近戦。ワンミスどころかコンマ5ミスも許されないという手に汗握るバトルは観客を魅了しました。ただし攻めあぐねているLEONの背後には、なんとGULF NAC PORSCHE 911が迫っていました。

そんな2位争いのさなか、67周目に悲劇が起こります。GT500のトップ争いをしていたKeeper LC500とWAKO’S 4CR LC500に巻き込まれるカタチで2位を走っていたVivaCがスピン!すぐに体勢を立て直しコースに復帰するもLEONとGULF PORSCHEに抜かれてしまい4位となってしまいました。

そんな後続のドラマをよそに順調に周回を重ねたグッドスマイル 初音ミク AMGが見事優勝!実に3年ぶりの優勝となります。そして2位はLEON CVSTOS AMG、3位はGULF NAC PORSCHE 911となり、メルセデスAMGの1,2フィニッシュ。そして昨年に引き続きここ岡山ではFIA-GT3勢が表彰台を独占しました。

PACIFICとしてはGULF NAC PORSCHE 911が3位となったことで、PACIFIC NAC イカ娘 フェラーリのスポンサーとして参加した2011年のセパン以来、そして2013年のチーム発足からは初の表彰台を獲得しました。

開幕からドラマチックな展開となった2017年のSUPER GT。次戦は5月3〜4日に富士スピードウェイで開催の「2017 AUTOBACS SUPER GT Round 2 FUJI GT 500km RACE」となります。伝統の富士500kmレースは一体どんなドラマが待っているのか。

(写真:吉見幸夫 文:松永和浩)

この記事の著者

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松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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