アウトドアシーンを中心にクルマの新しいあり方を提案する小型SUVベースのデザインスタディで、米国のデザイン拠点「Calty Design Research, Inc.(以下、Calty)」が手がけたそうです。
アメリカにおける都市部在住の「ミレニアル世代(30代半ばまで)」と呼ばれる若者世代は、「手軽さ」や「カジュアルさ」を好み、思い立ったらすぐにアウトドアに出かけたいというニーズがあるそうで、こうした層を狙って企画されたのが「TOYOTA FT-4X」。
公表されたボディサイズは、全長167.3(約4249mm)×全幅71.7(約1821mm)×全高63.9(1623mm)インチ、ホイールベースが103.9(約2639mm)インチ。
市販モデルである日本仕様のC-HRと比べると、全長が約110mm長く、全幅が約25mmワイドで、全高は約70mm高くなっています。
また、観音開きのテールゲートなど、コンセプトやデザインからどことなくFJクルーザーの後継的存在にも思えますが、生産を終えたFJクルーザーは全長4635×全幅1905×全高1840mm(日本仕様)で、FJクルーザーよりも2クラス程度小さくなっています。
「Rugged Charm(頑丈で魅力的)」というデザインテーマを掲げる「TOYOTA FT-4X」。「X(エックス)」をモチーフにした特徴的なスタイリングとしながら、フロントグリルは水平基調を採用して「TOYOTA」の伝統的なSUVデザインを踏襲したとしています。
また、TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)のプラットフォームを使い、4WD性能も搭載することで、走る楽しさやタフな使用にも対応。
インテリアでは、取りはずし可能で外でも使えるオーディオやルームライト、飲料用ボトルとして使えるドアハンドル、センターコンソールに収納して普段はアームレストとして機能する寝袋(写真からするとザ・ノース・フェイス製)など、アウトドアシーンで役立つユニークな装備やデザインが数多く採用されています。
スタジオ・チーフ・デザイナーのイアン・カルタビアーノ氏(Ian Cartabiano)は「デジタルなインターフェースが多用される現代でも、メカニカルなデザインや機能の満足感は重要だと考えており、TOYOTA FT-4Xのデザインや装備の多くはその考えをもとに企画しました。ユーザーにはこのクルマと接してワクドキを感じて欲しい」とコメント。
あくまでデザインスタディであり、市販化についてアナウンスされていませんが、大きなインパクトを与えたFJクルーザーの後継モデルとしてリリースされれば大きな反響を呼びそうです。
(塚田勝弘)