「1台で何度も美味しい」操縦安定性と出力のバランスに秀でた「ベントレー・フライングスパー V8 S」

乗り心地の良さも美点で、試乗車はオプションの21インチタイヤ(275/35ZR21、ピレリP ZERO)を履いていましたが、電子制御のエアサスペンションをスポーティにしても若干硬くなるかな、という程度でスムーズな足の動きはほとんど変わりません。

 

前席はもちろん、後席も路面を舐めるような乗り心地が味わえますし、コンチネンタルGTと比べると320mmロングホイールベース化されていることもあってか、上下方向の動きがより抑制されているように感じます。

スポーティかつパーソナル感のあるコンチネンタルGTも魅力ですが、とくにフライングスパー V8 Sはフロントノーズが重すぎず、5.3mを超える全長、2.0mに迫る全幅という巨体にも関わらず、走り出してしまえばドライバーとの一体感のある走りが味わえます。

ベルトラインが高く、包まれ感のあるキャビンは、前後席どちらに座っても下界から遮断されたような心地よい空間になっています。もちろん、急なゲストを迎えても広々した後席が控えていますし、オーナーが後席でリラックスすることもできます。

それでも、スポーティなドライバーズサルーンであることは間違いなく、1台で何度も美味しい想いができる1台といえそうです。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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