海から地球を考える、アニエス・ベーの科学探査船「タラ号」が日本に寄港!

2003年にフランスのファッションデザイナー「アニエス・ベー」氏らによって設立された「タラ財団」。それは、地球の様々な謎について調査する非営利団体。その「タラ財団」が世界中の海の環境や生物多様性などを調査する船が「タラ号」。

これまで北極の大気や水、氷を調査する「北極プロジェクト」、5年間かけて世界中を航海し、海中を漂うプランクトンや微生物を採取した「海洋プロジェクト」、プラスティックによる地中海の海中汚染を調べる「地中海プロジェクト」、そして現在は、2016年から3年がかりで太平洋のサンゴ礁を調査する「太平洋プロジェクト」と、世界中の海を大冒険しています。

そもそもなぜ「アニエス・ベー」が環境調査?海?と思ったところ、タラ財団の事務局長ロマン・トゥルブレ氏がその疑問に答えてくれました。
「アニエス・ベーは私の叔母で、彼女も私も海や船が身近な環境で育っています。そのため、この「タラ号」を購入するという話があったときに科学者たちに地球のことを調べてもらういいチャンスだと考えました。海はみんなのためのものでありますが、謎が多い。それを科学者らとプロジェクトを構築し、18世紀と同じように航海しながら調査します。プロジェクトは1~4年ぐらいで、テーマは毎回異なりますが共通して行うことは3つ。「環境調査」「生物多様性」「航海」です」

使用する船は118フィートのヨット。見た感じ、船は使用感ありありで、だいぶくたびれていますが、この船で北極の海に507日間も閉じ込められながら調査をしていたというから驚きです。しかしトゥルブレ氏曰く「この船はサイズ的に運河も行けますし、浅瀬も大丈夫な最適サイズです」とのこと。
エンジンや舵板などはすべて2つずつ装備。発電機は予備のため3個用意しています。最高速度は12ノット(時速約22キロ)。通常は7ノットぐらいで航行しているとか。いい風が吹けばエンジンを止めて、帆を張って走行するため、ある意味ハイブリッド!? 船内は操舵室、サロン、2段ベッドのベッドルームが6部屋、トイレとシャワー、それにアーティストが作品を作る部屋や、採取したものを計測する部屋などがあります。
16名が乗船し、そのうち6名が船乗り、7名が科学者。調査は最先端の技術を使い、約30か国の研究施設や大学などと連携をして行います。「タラ号」の目的は、科学調査と情報を伝えること。寄港した港では子供たちや一般の人に船内を公開し、採取したプランクトンの写真、海中がどうなっているのかなど、「タラ号の物語」を伝えます。

ちなみに今回の「太平洋プロジェクト」には「ルノー」もサポートし、日本国内での陸上サポートは「ルノー・カングー」が行っています。

「タラ号」はこの後、

~3月20日 横浜
3月20~25日 東京
3月26日 下田
3月30~4月1日 高知
4月16~20日 沖縄

に寄港予定。「タラ号」と「タラ号」のプロモーションラッピングの「カングー」も見られるかも知れません。

(吉田 由美)