●スズキ
1990年代から「イグニス」(Swift)でWRCの当時の下位カテゴリー(J-WRC)に積極的に参加、このクラスで数名のチャンピオンを輩出しています。
そして2007年にWRCへ「SX-4」でスポット参戦した後、2008年には全戦参戦。
本格参戦1年目にして5位を2度を獲得しましたが、リーマンショックによる影響でこの年限りで活動を終了しました。
●三菱自動車
初代「ランサー」(A73)でサファリを制するなど華々しい活躍を見せた三菱。「ギャランVR-4」でWRCに本格参戦します。4年間で5勝を挙げた後、コンパクトな「ランサー・エボリューション」にマシンを変更します。
グループAから改造範囲を広げたWRカーへ移行する期間に掛かりますが、グループA規定車両のままで進化を続けトミ・マキネンによるWRC4連覇(1996〜1999)を果たします。
その後、WRカーに移行しますが、他メーカーに後れをとった差は埋まらず、幾度かの参戦休止を繰り返した後に2005年を以って活動中止となりました。市販車でも「エボリューションX」の開発終了と同時にランエボ開発チームも解散。ランサー進化の系譜も途絶える事となりました。
●スバル
スバルが国際ラリーに本格参戦したのはグループA時代の初代「レガシィ」でした。
発売間もない頃よりWRCへの参戦を開始、無冠の帝王と呼ばれた「マルク・アレン」を招聘し、熟成を進めました。そして次戦より「インプレッサ」投入というラストチャンスに「コリン・マクレー」により、レガシイはWRC初勝利を飾ります。その後のインプレッサでの活躍に説明は不要でしょう。
3人(マクレー/リチャード・バーンズ/ペター・ソルベルグ)のワールドチャンピオンを輩出し、メイクスタイトル3連覇(1995-1997)を獲得。スバル車の基本性能の高さをアピールしました。
しかし、リーマンショックの影響で2008年を以てWRCより撤退しました。現在でも復帰が熱望されているメーカーですが、現行規定では改造既定の範囲ではボクサーエンジンより、直列4気筒の方が重心を下げられるなど問題なども多く、復帰はなかなか難しいようです。
現在、WRCで最高峰「RC1」クラスに参戦可能なラリーカーのエンジンは、GRE(グローバル・レース・エンジン)と呼ばれる最大回転数や燃圧を始め、細かく規定された1600ccの4気筒直噴ターボ。事実上のレース専用エンジンです。
このため、自動車メーカーといえど、以前ほど容易にWRCへの参戦はできなくなりました。しかし、それでもトヨタに続いてWRCに参戦する国産メーカーの発表を期待したいものです。
(川崎BASE)
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