570ps/637Nmの日産GT-Rを氷上で走らせるとどうなる?【日産 氷上・雪上試乗会】

それでも、センサーからの情報を元に4WDを制御する電子制御トルクスプリット4WDの「アテーサ E-TS」の威力を超低ミューの氷上で実感できました。それは、同じスポーツカーとして対照的なFRのフェアレディZも用意されていたから。

570ps/637Nmものパワー/トルクを誇るGT-Rを氷上で走らせるとどうなるか? まず、トランスミッションのスイッチを「Save」モードにすると、スピンすることなくあっけなくスタートします。

また、コントロールのしやすさも印象的というか驚きといえるほどで、走る度にツルツルに磨かれたコーナーでも多少リヤが左右に出ることがあってもラインをトレースしやすく、腕があればあるいは半日も走り回っていれば豪快なドリフトが楽しめそうです。

氷上でも重厚感というか安定感があり、無理をしなければ破綻しなそう。コーナーからの脱出時もお尻がフリフリしてしまうZとは異なり、比較的すんなりとクリアできます。

一方で「Save」モードから「VDC-R」のセットアップスイッチを「R」モードにすると、4WDの前後トルク配分を積極的に活かした協調制御にスイッチし、高次元のコーナリングが可能になるというのが謳い文句ですが、日常ではあり得ない低ミュー路では正直怖いという印象も。

最新モデルでは乗り心地が改善していることもあり、氷上でも思いのほか快適です。FRのフェアレディZと比べると、乗りやすさも含めてGT-Rのトータル性能の高さを味見した程度とはいえ実感できました。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久、塚田勝弘)

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この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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