試乗は本庄サーキットで行いました。普通の軽トラックは、ギア比の関係で1速だとあまり加速しないうちにすぐに吹けきってしまいます。そしてギアチェンジしても車内に侵入するエンジン音ほど加速してくれないという印象が強いです。
しかし、このT880はターボエンジンの効果もあり、それほどアクセルを踏み込まなくてもスッと加速していきます。サーキットでの試乗会とはいえ、軽トラックの走行するシーンを想定し、時速30km~50kmで走行しました。
コーナーの進入で減速しても、立ち上がりではエンジンが唸ることなくスッと時速50kmまで加速してくれます。エンジンの回転数を見ても高速道路の巡行もこなしてくれる余裕を感じました。
軽トラックというと荷物をたくさん積むという機能性が走行性能よりも重視されがちです。しかしこのT880は軽トラックに求められる機能性に高い機能性をプラスした通勤快速トラックと呼べる存在です。
このT880がもし市販されたとしたら、もっとワクワクしながら仕事に行けるはずと確信しました。今後、商用車でもこのようなワクワクできるカスタマイズが登場すると、クルマのカスタムが文化として定着できるのではないかと思いました。
(萩原文博)