アロンソが考えるF1マシンの「あるべき姿」とは?【F1速報×F1女子~2017年シーズン展望号~】

自身3度目のワールドチャンピオンを獲得するために、マクラーレン・ホンダへやってきたフェルナンド・アロンソ選手。契約最終年、アロンソ選手が描く大いなる野望にせまります。

■マクラーレン+ホンダ3年目の期待と野望

アロンソは、ソーシャルメディアでのコミュニケーションに熱心なドライバーのひとりだ。彼には大勢のファンがいて、約245万人の人々がアロンソのツイートをフォローする。フェイスブックでは180万人が彼に「いいね!」をしているし、インスタグラムでは120万人の人々が、彼が新しい写真やショートムービーを上げるのを待っている。

だが、このところ彼は沈黙を守っており、新しいメッセージの投稿はほとんどない。いったいどうしてしまったのだろうか。アロンソは言う。

「2017年の新たなチャレンジに向けてこの1カ月間、みっちりと体とメンタルのトレーニングをしていたんだ。」

アロンソ自身、もっと多くのタイトルを獲得したいと熱望している。だが、「現実的であることを忘れてはいけない。トップ10にもなかなか入れないようなマシンに乗っている時は、優勝を望んでも不満が募るばかりだ。」と彼は言う。

「大きな望みを持って、17年シーズンの開幕を迎えたい。目標はマクラーレン・ホンダが常勝チームに帰り咲けるように、できる限りの努力をすること。僕がこのチームに来たのは、マクラーレンとホンダが手を組むなら、タイトルを勝ちと獲るのに必要なものは全部揃うと確信したからだ。誤解を恐れずに言えば、昨年は自分でこれ以上はないと思えるドライビングができた。実際、僕個人のパフォーマンスという点では、キャリアを通じて3本の指に入るシーズンだったんだ。」

アロンソは、折に触れて現在のF1マシンを批判してきた。

「デビュー当時のマシンが懐かしいよ。あの頃のマシンを乗りこなそうと思ったら、本当にハードなトレーニングをする必要があった。首の筋肉も鍛えないといけないし、しっかりとした体を作るために絶えず努力をしていたものだ。だが、最近はジュニアフォーミュラから上がってきたドライバーでも、すぐに先輩たちい劣らないタイムが出せてしまう。」

アロンソによれば、最近のマシンは彼がこうあるべきと考えるF1からは、むしろ遠のいているという。

「僕らはいつも何かをセーブしながら走っている。タイヤを温存したり、燃料を使い過ぎないようにしたり、エネルギー回生量に注意を払ったりとかね。でも、そういう走り方は、レーサーの本能に逆らうものだ。特にカートに乗ったりすると、それを強く感じることになる。カートならずっと限界ギリギリのドライブを続けて、20周でも連続でベストからコンマ2秒以内のタイムを出せる。ところが、F1ではタイヤの状態によって、ラップタイムが6秒も7秒も落ちたりするんだ。そういう時は本当にイライラさせられる。だから、F1がまた以前のように速くなって、ドライバーにとって体力的に厳しくなるのなら僕はうれしいよ。そして、大局的な視点で僕らが世界にどんなイメージを発信しているかということも、考えに入れる必要がある。そろそろ変革を起こすべき時期だったんだ。」

「毎年ラップレコードが更新された時代のF1マシンが好きだったと、僕が言い続けてきたのは事実だ。けれども、現在のマシンに批判的だったからといって、自動的に話を引退に結び付けるのはどうかと思うよ。いずれは僕にもF1を去る日が来る。だけど、それがいつになるかは、まだ分からない。それ以前にまず、僕は17年の新しいマシンがどんなものなのか、早く知りたくて仕方がないんだ。」

(F1速報2017年シーズン展望号より)

誰もが「現在の最高ドライバー」と称賛するアロンソ選手。ドライバー本能むき出しで、マシンがどんな状態であっても最大限のパフォーマンスを出して走る姿は本当にかっこいいですよね。また、そんなかっこいい一面もありながらソーシャルメディアでは思わずクスリと笑ってしまうような投稿をアップするところも、ファンが多い理由のひとつではないでしょうか。

マクラーレン・ホンダのエース、アロンソ選手と期待の新人ストフェル・バンドーン選手で今シーズンこそマクラーレンホンダを復活させてほしい! そして、アロンソ選手のチャンピオン獲得をもう一度見てみたいです。

さて、いよいよ次号(3月4日発売)は、プレシーズンテストで現れたNEWマシンを一挙公開する「NEWマシン情報号」です。シーズン開幕も目の前! 早くレースが見たくて、ウズウズしてきました!!

(yuri)

この記事の著者

yuri 近影

yuri

2006年のF1日本GPを観に行ってから、どっぷりF1&ジェンソン・バトンにはまってしまったF1女子。F1が大好きですが、車の運転は下手(小林編集長お墨付き)、メカニズムも苦手、だけどドライバーの知識と愛だけは自信あり! もっと気軽にF1を楽しんでもらいたい、好きになってもらいたいという気持ちで執筆活動をしています。
趣味はバトンの追っかけと、F1海外観戦。現在は新米ママとして子育てに奮闘しながら、のんびり記事を更新中。あたたかーい目で見守っていただけると嬉しいです。
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