【アメ車は日本で売れないのはなぜ?】アメ車の燃費は意外に悪くない!?

もう一台、日本に正規輸入されているブランドとして、キャデラックから2.0リッター4気筒のダウンサイジングターボエンジンを積む「ATS」をピックアップして国産車と比較してみましょう。

比べるのは、同じくダウンサイジングターボのレクサスIS200t。いずれも北米で販売されているので、今度は実用燃費に近いと言われるアメリカのEPA燃費で比較してみます。

キャデラックATSの4気筒ターボの最高出力は272hp、EPA燃費はシティモードが21mpg、ハイウェイモードが30mpgです。

一方、レクサスIS200t(北米仕様)は、最高出力が241hp、EPA燃費はシティモード22mpg、ハイウェイモード32mpgとなっています。

数字をが大きいほど省燃費というのは日本で用いるkm/Lと同じですので、キャデラックATSとレクサスISを比べると、たしかにレクサスのほうが省燃費ですが、その差はわずか。最高出力の違いを鑑みれば、キャデラックの燃費が悪いとは思えません。

つまり、日本車もアメ車も、同じようなカテゴリーのクルマであれば燃費性能は互角といえます。絶対的な燃費性能に優る小排気量の小型車を日本に導入していないために「アメ車は大食い」というイメージが強くなっていますが、燃費性能に関するテクノロジーは同等といえるのです。

(山本晋也)

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
続きを見る
閉じる