ザ・グッドイヤー・アジア・パシフィック地区消費財担当副社長のマイク・リトコスキー氏は、T型フォードへの装着や、世界初のランフラットタイヤなどグッドイヤーの歴史に触れた後、今後のブランド力強化について言及。
グッドイヤーは、2016年のグローバル営業利益で前年比30%超となり、中国やインドの伸びが大きかったことからアジア・パシフィック地区で2ケタ成長を遂げるなど好調ぶりをアピール。
しかし、2017年はタイヤの原材料(天然、合成ゴム)費が高騰していることから、タイヤ業界による(欧州など)原材料費の商品への転嫁が進んでいる現状分析も披露。タイヤの原材料費はじつに70%も占めるそうですから価格への転嫁は避けられないのは仕方ないところでしょう。
なお、日本グッドイヤー社長の金原雄次郎氏は、日本に関しては、市場動向を考慮し、値上げについては(短期的には?)否定的な見方を示しています。安易に値上げせずにできることから手をつけていくようです。
2017年の日本グッドイヤーは、オールシーズンタイヤ「Vector 4 Seasons」をさらに普及させるべくFacebookなどを使ったモニターによる草の根の拡販、そしてウルトラパフォーマンスタイヤ「Eagle F1 Asymmetric 3」という高価格帯の高性能タイヤ投入などの具体策を掲げながら、さらなるブランド認知の向上を目指すとしています。
なお、オールシーズンタイヤは今年で40周年を迎えるそうで、日本グッドイヤーの「Vector 4 Seasons」は、昨年11月に東京で積雪があったことから首都圏や関東でかなり売れたそう。指名買いも増えるなど認知度を高めつつあります。
さらに、オールシーズンタイヤだけに通年売れる強みを活かし、この3月くらいからは、夏タイヤとしてのニーズも「Vector 4 Seasons」で掴みたいとしています。日本でオールシーズンタイヤが根付けば、20代男性の7割超が「(夏タイヤと冬タイヤの)交換が面倒」というイメージを覆すのにひと役買ってくれそうです。
(文/写真 塚田勝弘)