豊田自動織機は、小型車向けに大容量と小型化を両立した新型の固定容量型ベーン式コンプレッサーを開発しました。
この新型ベーン式コンプレッサーは2017年1月にスズキから発売された「新型スイフト」に搭載されています。
固定容量型ベーン式コンプレッサーは小型軽量で構造がシンプルなため、主に小型車・軽自動車のエアコンに使用されています。新型のベーン式コンプレッサーには、ローターとシリンダとの間にベーンで仕切られた5室のシリンダ室が形成されています。シリンダには2組の吸入口と排出口が設けられており、ローターが1回転する間に圧縮された冷媒を10回吐出するようになっています。
さらに部品点数を削減して、軽自動車向けの従来の容量から小型車向けに容量を20%増の大容量化を実現しながら、外形寸法を小型に抑え、クラス最軽量(豊田自動織機調べ)を達成したということです。つまり、軽自動車用と同等の大きさで小型車用の容量を発揮できるのです。
エンジンルームに搭載されるエアコン用コンプレッサーが小型・軽量化されることで、車室スペースの拡大と車体の軽量化を実現できるため、今後小型車を中心に新型ベーン式コンプレッサーの採用が増えることが予想されます。
(山内 博・画像:豊田自動織機)