【スズキ新型スイフト試乗】国産コンパクトトップレベルの一体感ある走り!!

一方で国産コンパクトカーを買う層は、走りよりもまずは予算や燃費などを重視する人が多そう。そこで新型スイフトには27.4km/Lのマイルドハイブリッド(1.2L)を初めて設定し、さらに、1.2L NAのガソリンエンジン車は130万円台中盤から展開することで値頃感を抱かせるラインナップとなっています。

20170123suzuki-swift_044

新型スイフトは、1.2LのNAエンジン(5MT/CVT)、1.2Lを積むマイルドハイブリッド(CVT)、1.0Lの直噴ターボ(6AT)という3つのパワートレーンを用意しています。

20170123suzuki-swift_072

パワートレーンを問わず、共通する長所は走りのよさ。「HEARTECT(ハーテクト)」と呼ぶBセグメントフォームを採用し、車両全体で120kgもの軽量化を果たしているのが最大の注目点。

20170123suzuki-swift_009

840kg〜970kgという新型スイフトの車両重量は、ヴィッツの970kg〜1110kg、デミオの1010kg〜1130kgと比べても驚異的といえるほどの軽さで、軽自動車並に収まっています。

20170123suzuki-swift_032

これだけ軽いと、1.2LのNAエンジンでもトルク感、加速フィールともに不足は抱かせず、キビキビした走りを容易に引き出せます。CVTとの組み合わせになるマイルドハイブリッド仕様も重さを感じさせずスムーズな走りも大いに魅力。

20170123suzuki-swift_019

また、バレーノにも搭載されている1.0Lの直列3気筒直噴ターボは、新型スイフトの「RSt」では102ps/150Nmというスペック。バレーノはプレミアムガソリンを指定し、111ps/160Nmという数値を得ていますが、スイフトではレギュラーガソリン化。パワー/トルクのダウンがあっても多くの方にとっては朗報といえそうです。

6ATを組み合わせる「RSt」は、930kg(バレーノは950kg)という軽さもあって、街中や速度域の高い一般道でも容易に流れをリードできますし、エンジンレスポンスの応答遅れを感じさせるCVT特有のラバーバンドフィールもなく上質な変速感を味わえます。

20170123suzuki-swift_084

さらに、新型スイフトに共通する美点として、ボディ剛性感の高さ、しっかりした走りがシーンを問わず味わえる点が挙げられます。試乗中、高速道路で強烈な横風を食らうことがありましたが、直進安定性が損なわれることはありませんでした。なお、フットワークについては街中を中心とした試乗なので実力の一端を垣間見た程度ですが、一体感のある走りからも高いレベルであることはうかがい知れます。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
続きを見る
閉じる