F1がシーズンオフになってから、早一カ月。F1不足でモヤモヤするー!というF1ファンの皆さんに朗報です! 待ちに待った、今年最初の「F1速報2017新年情報号」が1月19日(木)に発売されました。
■ボッタス『当確』が遅れる理由
新王者、ニコ・ロズベルグ選手の突然の引退発表表明で慌てたメルセデス。後任探しを急ぐも、最強チームのシートはなかなか埋まらず、バルテリ・ボッタス選手の移籍が決定するまでに様々な裏事情が存在していたのです……
メルセデスマネージング・ディレクターのトト・ウォルフは、まず秘蔵っ子のパスカル・ウェイレーン選手を指名しようとしたのだそう。しかし、それは改善策なのか? メルセデス非常勤会長のニキ・ラウダには引っかかるものがありました。
「経験があり、才能もあり、勝利へのひたむきさがあるドライバーが必要なんだ。ウェイレーンは小さなチームで1シーズンを過ごしただけだ。採用するにはリスクが大きすぎる。我々はドライバーズ・チャンピオンシップだけでなく、ダニエル・リカルドとマックス・フェルスタッペンがいるレッドブルや、セバスチャン・ベッテルとキミ・ライコネンがいるフェラーリを相手にコンストラクターズのタイトルの争わなくてはならない。何より、ルイスが刺激的でいられる相手であることが必要なんだ。」(ニキ・ラウダ)
ロズベルグ選手の発表後、ほとんどのドライバーがメルセデスに電話をかけてきたのだそうですが、目ぼしいドライバーはみな契約済み。ベッテル選手獲得に向けて役員レベルで掛け合ったものの、フェラーリは当然拒否。レッドブルもカルロス・サインツJr.選手へのリクエストを却下し、フォース・インディアにもセルジオ・ペレス選手について断られました。結果的に残されたのは、ウォルフのマネージメント下にいるバルテリ・ボッタス選手だったという訳です。
ただしボッタス選手も2017年末までウィリアムズと1年契約を更新したばかりでした。ウィリアムズの副チーム代表クレア・ウィリアムズが示した、メルセデスにボッタスを引き渡す条件は3つ。まず、フェリペ・マッサ選手の引退を1年先延ばしすること。メルセデスはボッタス選手の引き抜き料をウィリアムズに支払うこと。そして早急にエクゼクティブディレクター(テクニカル)のパディ・ロウをウィリアムズに迎え入れることでした。
この3つの条件の中で、一番実現が難しいのがロウの件。ロウは、ウィリアムズでただテクニカルディレクターの地位に収まる気はなく、チーム代表として自分の夢を実現したくなったのだそうです。
このロウの駆け引きのせいでボッタス移籍は遅々として進まず、1月の第2週、メルセデスはロウと契約を更新しないことを発表。そして1月16日、ボッタス選手のメルセデス移籍が正式に発表されたのです。