一方のエコモードは、空調設定ができず常に燃費最優先になり、加速感も抑制。EV走行は、標準モードにも用意される一定速走行時に加えて、クリープ走行時にもEV走行を適用。もちろん、エコドライブが標準モードよりも行いやすく、素早い加速が不要な条件下などで積極的に活用することで燃費を稼げるわけです。
エコモードにすると駆動力が絞られますから、山岳路の上り坂や、プレス試乗会とは別の機会で乗る機会のあった首都高速などの合流時でモアパワーを抱かせましたが、エコモードをオフにすれば解決しますので、スイッチひとつでキビキビとした走りと省燃費運転の切り替えが容易にできます。
ただし、エコモード時でもエンジンの初期始動時には、システムチェックのため必ずエンジンが始動。強制的にEV走行ができない点も含めてストロングハイブリッドらしさは少なく感じるかもしれません。
アイドリングストップから再発進する際は、標準モードはISG(モーター機能付発電機)のスターターモーターによりエンジンを静かに再始動させ、エコモード時は先述したようにEV走行によるクリープ発進になり、そこから踏む込みとISGにより瞬時にエンジンが再始動します。
変速時(クラッチが切り離されてエンジンの駆動力が伝わらない間)は、標準もエコモードもモーターの駆動力でカバーされ、1-2速、2-3速の変速ショックを緩和。
気になるEV走行は、エコモード時のクリープ以外にも、約60km/h以下で頻繁にEV走行になるほか、約45〜60km/hでクルーズコントロールを作動させている際も(条件によりますが)可能になります。
(文/塚田勝弘 写真/小林和久)