新型CX−5のデザインが「カッコよすぎて」懸念される点は?

ただし、ひとつだけ個人的に気になったのがフロントグリルの継ぎ目です。

20161222_mazda-snow-bymaeda127

マツダのアイデンティティである五角形グリルのホームベースキャッチャー側の交点部分が切れているんですね。ここは写り込みの美しさを考えると連続した金属のエッジにして欲しかったな、と。

しかし、それはかなり小さなこと。その些細なことが気になるというくらい新型CX-5のデザインの秀逸さは飛び抜けていると思います。

そこで懸念されるのは、保守層の支持です。

先代はよくも悪くも、それまでのマツダ車の進化、従来の国産車からの優れたイメージ、輸入車ほど派手ではない印象があったように思えます。それらを支持していたお客さんが「浮世絵だから良かったのにギリシャ彫刻になっちゃうと違うんだよな」となったりしないかな、と。

まあ、それくらい無駄な心配もしたくなるくらい、新型CX-5は斬新でスタイリッシュでオシャレです。ジャージやサンダルで乗り込むのには躊躇し、常に自分の身に着けるものにも気を遣うことになるかもしれませんが、それもいいかも、と思わせてくれる、それくらいのその気にさせるのが新型CX-5のデザインだと思います。

もし、愛車にしたなら常に背筋を伸ばして乗らなければ、そうして乗るべきクルマだ、と思わせてくれる、それが新型CX-5なのです。

(写真:前田 惠介/文:clicccar編集長 小林 和久

この記事の著者

小林和久 近影

小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務めた。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
続きを見る
閉じる