Cクラスで十分じゃない? と述べたのは、Eクラスに1点しか配点しなかった理由のひとつ。
それでも1点でも入れなければと思ったのは、よく観察すると、ウルトラスムーズな9ATによりE200の2.0L直列4気筒ターボであっても必要十分なトルクとパワーが粛々と紡ぎされる様子が伝わってくるのと、乗り心地もCクラスよりもフラット感があり上質だからです。
精緻な機械ぶりを伝えてくる走りは、ライバルのBMW5シリーズやアウディA6とは違った味付けでいかにもメルセデス的。さらに、積極的に介入してくるステアリング・パイロットなどの先進装備も同社の最新メニューが並んでいますから、メルセデスらしさを味わい尽くすならCクラスではなくEクラスしかありません。
E400はまだ試乗できていませんが、Sクラスに迫る仕上がりという評判を耳にすると、なおさらEクラスが旬だと感じさせます。例の自動車線変更機能(アクティブレーンチェンジングアシスト)も含めてロングドライブでこれほど楽なサルーン(もしくはワゴンは)ないかもしれません。
(文/塚田勝弘 写真/水野孔男)