充電要らずのEV「日産ノートe‐POWER」、3週間で受注2万台超!

構造的には、トヨタ「プリウス」がエンジンとモーターの駆動力を使い分けて走行する「パラレル式ハイブリッド」なのに対し、ノート「e‐POWER」ではエンジンを発電用に特化、EVのようにモーターで走行する「シリーズ式ハイブリッド」を採用。

この方式は「レンジエクステンダーEV」とも呼ばれるもの。

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急加速や登坂時などには、駆動用バッテリーからの電力に加え、1.2L直列3気筒「HR12DE改」エンジンで発電した電力を直接モーターに供給、減速時にはエンジンを停止、回生した電力をバッテリーに充電します。

またワンペダル運転を可能にする「e‐POWER Drive」モードでは、アクセルペダルを戻すだけで強く減速。渋滞時やカーブの多い道路など頻繁に加減速が必要なシーンなどでアクセル・ブレーキペダルの踏みかえが少なくて済むのも好評点のひとつ。

駆動にモーターしか使わないためトランスミッションが不要で、システム全体がシンプルになるのに加え、エンジンで発電しながら走るので、蓄電用バッテリーが要らず、バッテリー容量も最小限で済むというメリットがあります。

ノート「e‐POWER」に搭載されているリチウムイオンバッテリーの容量は1.5kW/hで、同社のEV「リーフ」(30kW/h)の僅か20分の1。

高価なリチウムイオンバッテリーの容量を抑えることはコスト低減に直結します。

車両価格は「e‐POWER S」が177.2万円、「e‐POWER X」が196万円、「e‐POWER メダリスト」が224.4万円と比較的リーズナブル。

気になる燃費も37.2km/L(e‐POWER S)と、「プリウス」の通常グレードと同数値となっています。

日産の11月24日の発表によると、グレード別の売れ筋では「e‐POWER X」が全体の47%、「e‐POWER メダリスト」が31%を占めているそう。

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またボディカラー別ではブリリアントホワイトパール(QAB)が23%、ブリリアントシルバー(K23)が15%、ダークメタルグレー(KAD)が13%、スーパーブラック(KH3)が10%などとなっています。

EVの走りと、ガソリン車の使い勝手を両立するためにシリーズ式ハイブリッドを選んだ日産ノート「e‐POWER」。

EVの魅力を「充電無し」で手軽に味わえる、次世代のエコカーと言えそうです。

Avanti Yasunori・画像:日産自動車)

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【関連リンク】

日産ノート「e-POWER」
http://www2.nissan.co.jp/NOTE/index.html

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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