白バイ先導のパレードランから始まりフォーメーションラップの後、13時37分に最終戦の火蓋が切って落とされました。
ポールポジションからスタートしたPURIUSは好調にスタート。予選3番手までは順位をそのままにオープニングラップを周回します。しかし予選順位4番手以降は大きく順位が変動。4番手だった9号車GULF NAC PORSCHE 911が5番手だった4号車グッドスマイル 初音ミク AMGに、予選6番手だった25号車VivaC 86 MCが7番手だった61号車SUBARU BRZ R&D SPORTにそれぞれ抜かれてしまいます。スタート直後に第1コーナーが迫るためにイン側の偶数グリッド有利という「もてぎセオリー」が発揮された中段のスタート風景。
ここまで順位を落としてしまったVivaC 86 MCにチャンピオンの目はあるのでしょうか?
トップを走るPURIUSに対抗するためか、15周目という早い段階でピットインしタイヤを交換する65号車LEON CVSTOS AMG-GT。しかし同じタイミングで入ってきたVivaC 86 MCはタイヤ無交換でピットタイム19秒7! LEONの背後にぴったりと張り付きながらピットアウト。
そしてアウトラップの第3コーナーで、タイヤ無交換を敢行したVivaC 86 MCは新品タイヤでまだ温まっていないLEONをイン側から刺し抜き去っていきます。これで実質の2位浮上。
その翌周にはPURIUSもピットイン。実質トップをキープするためにPURIUSもタイヤ無交換を敢行するというギリギリの戦いとなりました。
しかしPURIUSがピットアウトした瞬間、その背後で最終コーナーを立ち上がるVivaC。ペースは明らかにVivaCの方が速い。PURIUSのタイヤ無交換は失敗だったようです…
ペースを上げたいPURIUSにVivaCはドンドンと差を詰めていき、34周目のV字コーナーでVivaCはPURIUSの前に出た!
そこからはVivaC松井孝允劇場。背後のPURIUSはタイヤが苦しく、ついていくのが精一杯。2〜3秒差のポジションにとどまっています。
しかし、ラスト4周からVivaCもタイヤが苦しくなってきたようで、PURIUSが背後から迫ってきました。ここからが松井選手の腕の見せ所。お互いに苦しいタイヤを駆使しながらのトップ2台のバトル。しかしPURIUSをギリギリで寄せ付けないVivaCのドライブに松井選手の大いなる成長を見た気がします。
そしてチェッカーフラッグをGT300で最初に通過したVivaC 86 MC。優勝でチャンピオンという、王道を極めたカタチでキメてくれました。
マザーシャーシ初勝利を昨年のSUGOで達成。そして今年はマザーシャーシ初のチャンピオンという快挙を飾ったVivaC 86 MCとVivaC Team TSUCHIYA。
そしてこのレースが土屋武士選手のSUPER GTラストランともなります(第3ドライバー登録はするとのことですが)。
3位には4号車グッドスマイル 初音ミク AMGが開幕戦岡山以来の表彰台となりました。
今年の激戦ぶりを象徴するような最終戦。ここまで劇的なチャンピオン争いは、近年まれにみる戦いだったと思います。
来シーズンも熱い戦いを期待します。
(写真:吉見幸夫 文:松永和浩)