外観はスポーツグレードである「セントラ SR」や「セントラ SRターボ」を超える迫力に満ちています。さらに、空力デザインでは、空力抵抗値(Cd値)を犠牲にすることなくダウンフォースを増大させることでゼロリフトを追求。
従来モデルと同様のCd値0.29を維持しながら、揚力を30%低減させているそうですが、ニスモ専用のリヤスポイラーだけでなく、デザインを刷新したリヤバンパーも揚力低減に大きく貢献しているとのこと。
デザインや機能面では、ニスモの特徴である「レイヤード・ダブル・ウィング」デザインを前後とサイドのボディパネルに採用することで、ひと目でニスモ仕様であることが分かります。また、パネル下部の赤いラインも目を惹くアクセントになっています。
フロントには、標準となるLEDデイタイムランニングライト、専用ダーククローム仕上げの「Vモーショングリル」、専用エンブレムを装備。
そのほか、専用のサイドシル、リヤデザイン、スポイラー、エキゾーストフィニッシャー、ダーククローム仕上げのドアハンドル、トランクフィニッシャー、リヤエンブレム、専用レッドライン入りウインカー搭載のサイドミラーキャップなど、ニスモならではの特徴が散りばめられています。
足まわりは、米国向けらしくオールシーズン対応タイヤ「215/45R18パイロットスポーツ」を装着。ニスモの10本スポークアルミニウム合金ホイールが組み合わされています。
インテリアもニスモらしいスペシャルな仕様になっています。サイドの強度を高めNISMOのロゴをあしらったフロントシートをはじめ、後席にもレッドステッチ入りの専用シート素材が採用されています。
インパネには、専用の本革・アルカンターラ巻ステアリング、リング型エンジンスタートボタン、赤い文字盤のタコメーターを特徴とする専用メータークラスター、本革シフトレバー、専用刺繍を施したカーペットなど、スポーティ感を強調する赤のアクセントを用意。
エンジンは「セントラSR」の2017年モデルに初搭載された新型1.6Lの直噴ターボガソリンエンジンで、最高出力188ps/5600rpm、最大トルク177 lb-ft/1600-5200rpmを発揮。
アルミニウム合金製となるDOHC16バルブ直列4気筒エンジンは、圧縮比10.5:1、連続可変バルブタイミング制御システム(CVTCS)を採用し、シリンダーボアには溶射皮膜のミラーコーティングが施されています。可変圧縮オイルポンプと低圧縮EGRシステムの採用により、排ガスの低温化とノッキングを改善しているのもポイントです。
足まわりは、フロントが専用チューンの施されたストラット式インディペントフロントサスペンションで、リヤがトーションビーム式でモノチューブリヤダンパーと専用チューンのフロントスプリングおよびストラットを採用。
軽量型モノチューブ式ダンパーは、オイルとガスを切り離したチャンバーや高圧ガスチャージにより、ダンパーのストローク量や速度変化に対して素早いレスポンスを可能にするもので、ダンパーレスポンスを向上させることで、ステアリングやロードコンディションの変化により素早く対応することが可能となっています。
残念ながら日本に導入されていないセントラですが、米国でもニスモブランドのラインナップ強化が図られていて、「NISSAN GT-R NISMO」、「370Z NISMO」、「JUKE NISMO」、「JUKE NISMO RS」とともに「セントラNISMO」が同ブランドのプレゼンスを高める役割が期待されます。
(塚田勝弘)